最新の検査や治療法を導入 ハイレベルな「かかりつけ医」

林医院(神奈川県横浜市都筑区)

「総合内科専門医」の資格を持つ林毅院長は、地域のかかりつけ医として、赤ちゃんからお年寄りまで幅広く、風邪や腹痛などの一般内科や生活習慣病、皮膚トラブルなどの治療に加え、専門の消化器内科と肝臓病の診療にも力を注いでいます。

「友人や身内に、医療に詳しい人がいるくらいの気持ちで気軽に相談してほしい」と話す林院長に、医院のことや胃腸を健康に保つためのアドバイスをいただきました。

地域の頼れる総合内科専門医

――クリニックの特長を教えてください。

総合内科専門医として内科全般を診ています。その中でも消化器内科と肝臓内科が専門ですから、内視鏡検査や肝臓の病気治療については、より力を入れています。加えて小児科と皮膚科の診療も行っています。駅の近くまで行けば小児科や皮膚科を専門に診ている先生もいますが、この辺りからだと若干遠いですから。この辺りにも新しいマンションや住宅がたくさん建ってきて、若い家族も増えて来ましたから、そういった近隣の方々に便利に使ってもらえればと思っています。

実際に来ていただいている患者さんも0歳から100歳以上と幅広く、土曜日の午後などは、働き盛りの年代の方も多く来ていただいています。病気で多いのは、やはり糖尿病や高血圧、高脂血症といった生活習慣病、あとは風邪や腹痛、咳が出るなどの一般的な症状で来る方も多いですね。ほかには、精神的なことから体に不調をきたしている方もいますし、なんでもないと思っていた症状に大きな病気が隠れていたりすることもありますから、その辺も注意して診るように心がけています。

当院の内視鏡は、特殊な光を照射することで血管の構造が鮮明に確認できる「NBI(狭帯域光観察)内視鏡システム」を導入しています。デジタルハイビジョンによる高画質な画像と拡大観察機能によってより精密な検査ができるので、胃がんや食道がん、咽頭がんなどの早期発見がしやすくなっています。やっぱり一番心配なのはがんですから、絶対に見逃さないよう、丁寧で確実な検査を心がけています。内視鏡検査は、緊急の患者さん以外は、平日に1日1人と水曜日の午前中に行っています。

高性能の内視鏡システムを用いて、ごくわずかな変化やがんの兆候を決して見逃さないよう細心の注意を払います(林医院:神奈川県横浜市都筑区)

――診察で心がけていることはありますか?

患者さんが、ここに来て良かったと思えることですね。規模は大きくない医院ですから、その分、自分が患者だったらどうしてほしいのか、どう思うのかを常に頭の中に入れて大きな病院にはできない、きめの細かい、心のこもった診療を行っていますし、話しやすい雰囲気を作って、患者さんが思っていることを躊躇なく話してもらって、わからないことや不安なことを持ち帰らせないようにすることを心がけています。

毎回、必ずしも100点満点の結果や答えが出せるわけではありませんが、次回に100点を取る目処がついたから、今日は来て良かったな、来たことが無駄じゃなかったなって思えるような診療をしたいと思っています。

根本治癒ができるようになったC型肝炎

――先生のご専門の一つであるC型肝炎の治療について教えてください。

C型肝炎は、少し前まではインターフェロンによる治療が主流でしたが、効果のない人も多く、治療費もかかるという治療がとても難しい病気でした。私も大学病院にいたときに、たくさんのC型肝炎の患者さんを診てきましたが、この病気になってしまったことで人生が変わってしまった人がたくさんいましたし、私も悔しい思いをしてきました。

それが、2014年の秋に新しい経口のお薬が出て変わりました。現在は同じような薬が全部で3つほどあるのですが、有効率が90%以上で、しかもインターフェロンのようにうつ症状や髪の毛が抜けるなどの副作用がほとんどありません。薬の価格が高いのがネックですが、この薬は1日1回1錠を12週間服用すればC型肝炎を完治できる可能性が非常に高いのです。この薬による治療で、1日も早くC型肝炎の患者さんがいなくなれば良いと思っています。

――もう一つのご専門の消化器について、健康に過ごすためのアドバイスはありますか?

それはもう、食べ物をおいしく食べて、ぐっすりと眠ることです。皆さんもご存知だと思いますが、胃腸は第2の心とも言われるように、心の持ちようによって胃腸のコンディションがまったく変わってきますから、胃腸に良くないのはストレスなんです。寝不足だとか食事の時間が不規則だというのは、一番胃腸に堪えます。

胃腸の不調を訴えて、内視鏡検査をすることになる患者さんの多くは、例えば、仕事から夜中の12時頃に帰ってきて、それから食事をして、お風呂に入って、寝るのは午前2時とか。それで朝は6時に起きて会社に行きますというような方が、胃が痛いと言って来られるんです。もちろん、皆さんお仕事で止む無くそういう生活になってしまっているので生活リズム自体の改善は難しいところがありますけど、少しずつでも良いので、できるだけストレスを溜めないように、おいしい食事を取って、ぐっすり眠ることも意識してほしいと思います。

入口にはスリッパを光で殺菌するディスペンサーを設置し、ウイルスなどの感染予防に配慮しています(林医院:神奈川県横浜市都筑区)

医療に詳しい身内や友人だと思ってほしい

――先生は、なぜ医師を志したのですか?

祖父と父、父の兄弟もみんな医師でしたので、自然な流れというか、そういう環境だったのが一番大きいかなと思います。だから小さな頃から、「将来はお医者さんになるんでしょ?」とよく周りからは言われていたのですが、本当は漫画家になりたかったんです。自分で言うのもなんですけど、絵はかなり上手で、図工とか技術の授業は、いつも5でした。

一時期は、かなり本気で漫画家を目指していて、中学生の頃は、試験期間中も親に隠れて漫画を描いていたりして(笑)。それで昔は、漫画の雑誌とかに、原稿を持って来れば見ますと言うことが書いてあって、その気になってある出版社に自分の描いた漫画を持って行ったんです。諦めろとまでは言われませんでしたが、世の中のことをもっと知っていないと良いものは描けないよと諭されまして。それで高校生になってからちょっと熱も冷めてきて、やっぱり医学の道に進もうと思いました。

消化器科は、実は父が皮膚科で開業していたので、僕も内科で体全体を診られるようになってから皮膚科に行こうと思っていたんです。でも研修医でいろいろな科を回っていたのが、ちょうどC型肝炎が発見された頃で、すごく興味を持ちました。それで研修が終わってから肝臓内科へ戻って、それからずっと大学病院で診療にあたっていました。

――今後の展望とメッセージをお願いします。

あまり大それた展望はありませんけど、元気なうちはしっかりと仕事をして、先ほども話しましたけど、来たことを後悔させない、来てよかったと思える治療をして行きたいと思っています。

皆さんには、ここは内科だとか、消化器や肝臓が専門だとか気にせずに、体のことで困ったことがあれば、どんなことでも来てもらえればと思っています。診察をさせてもらって、もし僕のところで治療ができなくても、ここの先生は良いですよとか、紹介をさせてもらいます。友人や身内に、医療に詳しい人がいるくらいの気持ちで、気軽に相談してほしいですね。

待合室にあるくらげの水槽は患者さんの癒しアイテム(林医院:神奈川県横浜市都筑区)

▲待合室にあるくらげの水槽は患者さんの癒しアイテム(林医院:神奈川県横浜市都筑区)

お話を伺ったのは

林医院 院長 林 毅先生

聖マリアンナ医科大学卒業。同大学病院にて大学講師、医局長、主任医長を経て、2003年林医院開院。現在、聖マリアンナ医科大学非常勤講師。日本内科学会認定総合内科専門医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本肝臓学会認定肝臓専門医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医。医学博士。

高性能の内視鏡システムを用いて、ごくわずかな変化やがんの兆候を決して見逃さないよう細心の注意を払います(林医院:神奈川県横浜市都筑区)
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