5、6歳を過ぎると、「おねしょ」は「夜尿症」と呼ばれるようになります。
5歳を過ぎて1か月に1回以上の頻度で3か月以上つづくものが夜尿症です。こう呼ぶと重い病のように感じてしまうかもしれませんが、あまり深刻に捉える必要はありません。約1割程度の子に症状が見られると言われています。
夜尿症には大きく2つの原因が考えられます。ひとつは、膀胱が未発達で必要量のおしっこを溜めておくことができない場合、もうひとつは就寝前に水分を取りすぎている場合です。あるいはこの両方が原因になる場合もあります。
本人が気にしているなら、ぜひ受診を。
もし息子さんが特に気にしていないのであれば、成長とともに自然と治るのを待つのが一番です。しかし、本人が気にしているということであれば、受診してください。おねしょをしてしまう理由をきちんと自分で理解することで、前向きに治療に取り組めるでしょう。
診察は、おねしょの記録、尿検査などから、夜尿症の診断を行います。重要なのは生活改善で、規則正しい生活や偏食を治すことなどで改善することが多いのですが、それでも効果が出ない場合は薬の服用や夜尿アラームなどを用いた治療を行います。
また、お父さんお母さんが気にし過ぎるあまり、頻繁にトイレに誘ったり、夜中に起こしたりするのはやめましょう。排尿は、それを我慢するためのホルモンと深く関わっています。まずは自然に尿意を感じたらトイレに行くという習慣をつけることで、ホルモン分泌が正常になり、おねしょやお漏らしが改善されていく場合もあります。
お話を伺ったのは
キャップスクリニック武蔵小杉
院長 橋本興人先生
(2021年4月より中山 詩礼院長が就任)
「キャップスクリニック」の CAPS は、「Child And Parent Support」の頭文字です。
ご家族全員のホームドクターとして、東京・神奈川・千葉の内科・小児科として、365日、夜は21時まで診療を行っています。その8院目として誕生したのがキャップスクリニック武蔵小杉です。
キャップスクリニックは地域の子どもたちの健康を守るために質の高い医療を提供することはもちろん、生活習慣・予防・適切な判断などの正しい医療知識を誰もが平等に得られるよう、「セサミストリート」を手がけるアメリカのNPO 法人と協働して、医療情報提供プログラムを実践・提供しています。こうした活動を通じて新しいヘルスケアの価値を作ることも目指しています。