【教えてドクター】子どもの急な発熱と熱性けいれんについて。


子どもの急な発熱のとき、解熱剤は使ってもいいのでしょうか。また、熱性けいれんについて教えてください

解熱剤の使用は、熱からくる症状が辛そうなときに

解熱剤は、病気のおおもとを治すものではありません。発熱症状が辛く、眠れない、食欲がない、脱水症状がある時など、一時的に熱を下げて症状を和らげることが目的です。

体温の高い低いにかかわらず、お子さんの状態をよく観察して、使用を検討するのがいいでしょう。

ウィルスや細菌の種類により異なりますが、インフルエンザウィルスなどは、熱が低い時に増殖し、熱が高いと生存率が下がると言われていますから、体調が安定していれば、高熱だからといってすぐに解熱剤を使用する必要はありません。

一般的に処方される解熱剤は「カロナール」をはじめ数種類ありますが、小児の場合は座薬で出されることがほとんどです。座薬は溶けやすいため、冷暗所での保存が適しています。

お子さんの体重に見合った量の薬が処方されるので、きょうだい間の使い回し、長く保管するのはお勧めしません。

しかし、本人に処方された薬で、半年ほどであれば使用するのも良いでしょう。もちろん使用期限を確認し、用法・容量を守ることが大切です。

38度以上の熱の際は、熱性けいれんにも注意を

熱性けいれんは、「ひきつけ」とも呼ばれるもので、突然意識がなくなったり白目を向いたり、あるいは手足をびくびくさせたり、硬直したりと症状はさまざまです。

熱の上がり際に多いのが特徴で、通常は2~3分で収まります。親にとっては、子どものけいれん発作はとてもびっくりすると思いますが、まずは落ち着いて、発作が続いた時間、その時の体の様子、けいれんが終わってから意識が戻るまでの時間などを観察しメモしてください。

5分経っても収まらないときは救急車を呼びましょう。

当院では解熱剤の使用方法や熱性けいれんについて詳しく解説した「熱ノート」を、突発性発疹など、高熱が続くが日数が経たないと診断がつかない症状の時にお配りしています。

折れ線グラフで熱の推移を記入できるようになっており、次の受診の際に持参していただくとより正しい診断に結びつきます。

お話を伺ったのは

あべこどもクリニック|横浜市港北区|日吉|小児科|アレルギー科

あべこどもクリニック
院長 安倍 隆 先生

安倍先生は、アレルギーがご専門で予防医療にも積極的です。さらに治験にもご尽力されています。

大学病院等で約20年間、アレルギー外来を担当してきました。医学的根拠に基づく治療をご家庭の事情や環境等も考慮して方針を決定します。

常に心掛けているのは、薬の量をなるべく抑えること。子どもたちの自然治癒力を大切にしたいですね。が、一方で「防げる病気は防ぐ」という側面から、予防接種は大いに推奨しています。

また、ワクチンや新しい薬剤の安全性と有効性を判定する治験には、勤務医時代から携わっており、その経験も生かしながら、日々子どもたちの診療にあたっています。

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