エストロゲンとエクオール
- 40代前半から始まる体の不調には、女性ホルモン(エストロゲン)の減少が大きく関与しています。
- エクオールは、エストロゲンに似た働きをするので、不調の解消、さらに健康と美容にも効果が期待できます。エクオールは、大豆イソフラボンが腸内細菌によって変化したものです。
- しかし、大豆食品を食べても、腸内にエクオールの産生能(作る力)がある人は、日本人の約50%。そこで、サプリメントなどでエクオールを摂取するのもひとつの手段です。
- 自分の産生能は?効果が期待できる年代は?などの疑問について、専門医の粒来拓先生にお聞きしました。
ビタミンママ87号より抜粋
Q1 自分のカラダにエクオール産生能があるかどうかを調べることはできないのでしょうか。
「ソイチェック」という尿検査キットで調べることができます。前日に大豆食品を食べて、朝一番の尿を採取して返送するだけという手軽なものなので、一度調べてみるのもいいと思います。
産婦人科クリニックや調剤薬局で販売しているところもありますし、ネット通販などでも入手できるようです。
Q2 ソイチェックの結果、自分のカラダでエクオール産生能があると分かった場合は、エクオールを含むサプリメントなどを飲んでもあまり意味がないということになるのでしょうか。また、過剰摂取によるリスクはありますか?
意味がないということはまったくありません。というのも、日々の健康状態や食生活から腸内細菌は毎日変化するので、検査時にエクオール産生能があるいう結果が出ても、その量は変化したり、あるいは急に作れなくなったりということもあるからです。
確実にエクオールを摂りたければ、エクオール含有サプリメントを利用するのがいいでしょう。また、過剰摂取に関しては、イソフラボンもエクオールも約24時間でほぼすべてが体から排出され、体内に蓄積されないので、過剰摂取の心配はありませんが、サプリメントで摂取する場合、他のイソフラボンも含めて1日30㎎を超えないようにしましょう。
Q3 エクオールは40代、50代だけに効果があるのですか?
エクオール産生者の方がPMS(月経前症候群)のリスクが低いというデータがあります(エクオールのサプリメントは、大豆アレルギー、妊娠、授乳中でない18歳以上の方ならどなたでもお召し上がりいただけます)。若いうちから飲み始めてもよいでしょう。
また、エストロゲンは生殖器、骨、血管、代謝系、髪、肌など全身に作用しているので、よって40歳以降、エストロゲンが低下することで表れる血中脂質の増加や骨密度の減少が、10~20年経って、動脈硬化や骨粗しょう症につながることもあります。
人生100年時代の健康と美容の支えとして、エストロゲンは骨や血管など女性の身体を守る働きをしています。エストロゲンに似た働きをするエクオールの成分も女性の身体を守ってくれる可能性があると思いますから、エクオールの成分を長く摂り続けることは役に立つと思います。
お話
粒来 拓先生
よしかた産婦人科 綱島女性クリニック院長
横浜市立大学附属市民総合医療センター婦人科非常勤講師