家族への感染確率が大きい水虫 根気強く治療して完治を!
感染を防ぐために、帰宅したら 入浴やシャワーを
水虫は白癬菌(はくせんきん)というカビが原因です。9割が足への感染で、足水虫(足白癬)と爪水虫(爪白癬)があります。いずれも、白癬菌に感染した皮膚やつめがはがれ落ち、それを他の人が踏んだり触ったりすることで感染します。
不潔な場所で感染するというイメージがあるかもしれませんが、温泉やスポーツジム、居酒屋やデパートの試着室など、さまざまな場所に菌が生息している可能性があります。
しかし、白癬菌は、付着したとたんに感染するわけではありません。健康な皮膚なら、12~24時間を経てから、菌が皮膚のなかに入って来るといわれていますから、毎日帰宅したらお風呂やシャワーで白癬菌を洗い落とすように心がければ、感染を予防することができます。
また、バスマットやタオルをこまめに交換して清潔に保つことも忘れずに。
さらに、靴やブーツのなかは高温多湿で白癬菌が増殖しやすい環境ですから、毎日靴を履き替え、靴の中を乾燥させ、清潔に保つなどのケアも忘れないようにしましょう。
家族にうつす可能性が大!?
水虫になる原因で最も多いのが家族内感染です。先に述べたようにその9割は足への感染であるものの、頭や顔、首、手などさまざまな部位に感染することもあります。
親の水虫が原因で、小さい子どもの顔への感染や、インキンタムシの原因になることもあります。もし感染してしまったら、家族のためにも完治を目指しましょう。
足水虫と爪水虫はどちらも 根気強く治療すれば完治します
日本臨床皮膚科医会の調査によると、日本人の5人に1人が足水虫、10人に1人が爪水虫と推定されています。足水虫の白癬菌がつめにも入る病変が爪水虫で、つめが白や黄色く濁る、分厚くなる、白い線が入るなどの症状が特徴です。
治療としては、いずれも白癬菌を除去する抗真菌薬を用います。
飲み薬と塗り薬の2種類があり、足水虫には塗り薬が効果的ですが、爪水虫はつめの外側から塗薬を使っても効果が届きにくいので、つめの先端だけに病変がある初期の場合や、つめの表面に病変がある場合以外は、飲み薬によって体の内側から治療することが多くなります。
いずれにしても、抗真菌薬を用いて、感染した白癬菌をすべて除去することが大切です。
自己判断で薬の服用を途中でやめてしまうと、白癬菌が残っていることも多く、高い確率で再発してしまうので、必ず医師の指示のもと完治を目指しましょう。
監修
えだ皮膚科クリニック
院長 上西 香子先生