ヘルペスはウイルスによる感染が主因 疲労やストレスをためず健康的な生活を
目元や口角の水膨れはすぐに受診を
肌のお手入れに気をつけていてもニキビや吹き出物ができることがありますが、これはホルモンの影響が考えられます。さらに、目元や唇のすぐ横、口角にできて強い痛みを感じたら、それはニキビではなくヘルペスかもしれません。
小さな水膨れや、それが潰れてかさぶた状になることが特徴です。水膨れができる前に、発症する場所にぴりぴりした感覚や熱のある感じ、時に痛みを感じることがあります。
また、目の周り、まぶたなどに水泡ができて目に異物感を感じる、涙が止まらない、黒目が白く濁るなどの症状は単純ヘルペス角膜炎である可能性が非常に高いです。
どちらにしても水膨れができていたら、すぐに病院の受診が必要です。
水膨れに触れたら必ず手洗いを
口唇ヘルペスも単純ヘルペス角膜炎も、同じ単純ヘルペスウイルス1型というウイルス感染が原因です。帯状疱疹の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスと同様に、単純ヘルペスウイルス1型も一度感染すると神経の中に潜伏して、抵抗力が低下したときに再発します。
診察は、皮膚の症状を診たあと、水膨れになっている患部の皮膚の採取、血液検査によるウイルス感染や再活性化の確認などを行います。
治療は症状に応じて抗ウイルス薬の飲み薬や塗り薬が処方されます。体内からウイルスをなくすことはできませんが、増殖を抑えて症状をおさめます。細菌感染を合併している場合は抗生物質が処方されることもあります。
特に水膨れは潰さないよう、注意が必要です。水膨れの中にはウイルスが入っているので、潰れた水膨れを触った指で目に触れると単純ヘルペス角膜炎に、唇に触れると口唇ヘルペスになってしまいます。ウイルスを含む唾液でコンタクトレンズを濡らしたことが原因で、単純ヘルペス角膜炎になることもあります。
患部に触った後はしっかり手を洗いましょう。
発症時に食器やタオルの共有はしないこと
単純ヘルペスウイルス1型は免疫力が下がると再発しやすいので、日常生活で疲労やストレスをためないようにすることが重要です。
紫外線を浴びすぎると皮膚の免疫力を下げてしまうので、紫外線対策も必要です。肌荒れや皮膚炎になりやすい方はスキンケアを心がけて健康を保ちましょう。
また、単純ヘルペスウイルス1型に感染している方が発症している時に食器やタオルを共有すると、接触感染の可能性があるので共有しないようにしましょう。
監修
藤が丘南口クリニック
副院長 後藤 隆子先生