最も多い皮膚のトラブル パッチテストで原因を究明
かぶれの正式名称は接触皮膚炎 放置すると日常生活に支障も
湿疹やかぶれなど、慢性的なかゆみやかさかさ、ぶつぶつなどで悩む方は少なくありません。皮膚が炎症を起こす病気を湿疹といい、その中でも、外部からの刺激で起こるのがかぶれです。
「接触皮膚炎」というのが正式な名称で、化学物質などに接触することで炎症が起こる「刺激性接触皮膚炎」、アレルギーを持っている人に起こる「アレルギー性接触皮膚炎」があります。
大したことはないと自己判断で市販薬を塗ると、いったんは治まったように見えても、しばらくするとまた同じ症状が出てくる場合、注意が必要です。
放置すると腫れて赤くなったり、水ぶくれになったり、ひどくなると皮膚が割け、ジクジクすることがあり、日常生活に支障が出る場合もあります。
対応としては、肌を清潔にし、かかないようにすることはもちろんですが、何よりも原因を突き止め、その原因物質に触れないように注意することが大切です。
保険適用のパッチテストで 原因を見極め早期治療を!
原因を見極める方法として、パッチテストが有効です。
これは、接触皮膚炎によるかぶれや金属アレルギーなど、数時間から数日してから症状が現れる遅延型アレルギーの原因を探る検査です。疑わしい原因物質から作った試薬を皮膚に貼り、2日後、3日後、7日後に判定します。
判定は皮膚科医が行いますから、ご自身の通院可能なタイミングを考えて検査することが好ましいでしょう。この間は、温度管理のできる場所で汗をかかないように過ごすようにしましょう。
原因となる具体例としては、洗顔料や洗剤、化粧品やスキンケア用品、衣服、さらには食品や金属などが挙げられます。金属アレルギーは時計やアクセサリーと考えがちですが、食品や歯科治療器具などに含まれる場合もあります。
パッチテストの結果が出たら、その後は原因となる刺激物質との接触・摂食を避けるよう、注意しましょう。
治療としては、炎症やかゆみを抑えるステロイド外用薬や抗ヒスタミンの内服薬を処方します。パッチテストはほとんどの場合保険適用になりますが、検査そのものに対応していないクリニックもあります。
また、症状によってはパッチテスト以外のほうが適切な場合もありますので、まずはかかりつけの皮膚科に相談しましょう。
監修
松田クリニック
副院長 松田 敬子先生