▲きくな湯田歯科(横浜市港北区)
眼科医になるまで、さまざまな道を歩んだそうですね。
祖父や叔父が医者だったので、常に身近に医療がありましたが、高校生のころは研究者になってものづくりに携わったり、物理を研究したりとも考え、東大理1に進学しました。が、どうもしっくりこない。
やはり医者になろうと一念発起し、東大を退学して横浜市大の医学部に進学しました。周りからは「(せっかく東大に入ったのに)もったいない」ともいわれましたが(笑)、将来を考えるとやはり進みたい道は医学だと考えたんです。
▲空気清浄機や自動精算機の導入など感染予防対策も万全です(横浜市港北区)
卒業後は、脳神経外科医になったのですが、当時は人手不足もあって大変な激務。毎日、日勤の後に当直するくらい忙しかった。やっと深夜2時に帰宅しても、また4時に呼び出されるとか。私自身体力的にもきつかったのですが、家内が音を上げまして。
やはり家族も大切にしたいと考え、4年後に眼科に移りました。脳神経外科での経験も生かして、神経眼科を専門とし、大学病院で多くの症例を経験したあと、このクリニックを開院しました。
近年の子どもの患者さんの相談内容にはどんな傾向があるのでしょう。
圧倒的に近視が多く、進行を抑制する治療を希望されることが多いです。
方法としては、オルケソラトロジーといって、夜寝る前に専用のコンタクトレンズをつけて、就寝中に視力を矯正する方法や、マイオピンという点眼薬を使用する方法などがあります。そのほかは結膜炎。乳幼児は斜視、弱視の早期発見のための視力検査での来院も少なくありません。
▲国内唯一の最新機器を積極的に導入するなど、高度な医療を提供しています(横浜市港北区)
コロナ禍で、家の中でスマホやパソコン、ゲームをする時間が増えました。子どもの目への影響はいかがですか?
とても深刻です。スマホを見すぎて、突然寄り目になる「急性内斜視」を発症することは珍しいことではありません。一番の治療は、スマホを見ないことですが、子どもには難しく、ついまた見てしまって治らないので、目にボトックス注射などをして治療することもあります。
さらにこじらすと手術になることもありますから、「スマホやゲームをやらせておけばおとなしいから」なんて安易に子どもに渡すのはやめてほしいですね。
クリニックには複数の眼科、美容・整形外科の先生が在籍するのも特長です。
一般診療のほかに、結膜母斑や緑内障、斜視などの手術も多いので、専門の先生も在籍しています。最近増えているのが眼瞼下垂。まぶたが下がって目を覆ってしまうことで日常生活に支障が出ます。
病気の場合は保険適応ですが、加齢に伴う美容目的の場合は適応外です。それを承知で中高年の女性が来院するケースも増えてきました。
▲院長をはじめ10名の医師が在籍(横浜市港北区)
息子さんお2人も眼科医として活躍されています。
2人とも浜松医大を卒業して、いまは当院で眼科や美容外科などを担当しています。クリニックのモットーは、最新の機器を揃えることで、大学病院に行かなくても済む高度な地域医療を提供することなので、息子たちの医師としての最新情報、着眼点などは大いに参考になります。
また、美容外科への関心、そして需要が高まる中、眼科医の技術や専門性を生かして、目の周りに特化した美容治療専門部門を作りました。ここにも最新の医療機器、技術が必要です。時代の流れやニーズにアンテナを張りながら常に進化するクリニックでありたいと思っています。
お話
きくな湯田眼科 院長 湯田 兼次 先生
掲載記事がある 幼稚園号 ビタミンママ Vol.89 ご購入↑