withコロナ お医者さんからのメッセージ<感染拡大防止のために>

「新型コロナウィルス」について、中川駅前内科クリニックの院長粕谷先生からビタミンママにメッセージをいただきました。

【粕谷先生からのメッセージvol.2】

Vol.1はこちらから

新型コロナウィルスの予防|中川駅前内科クリニック|横浜市|ビタミンママ (vitaminmama.com)

あれから1年半が経過しましたが、新型コロナウィルス感染症の猛威はまだまだ続いています。当時とは状況が変わってきているので、診察室での説明内容もupdateしています。

今回はその内容をご紹介します。

<新型コロナウィルスワクチン>

日本でもワクチン接種が進み、1回接種率が60%、2回目接種率も50%を超えました。

「ワクチンを2回打っても万々歳ではない」というのは、報道されている通りで皆さんもご存じのことと思います。ですが最近「自分はワクチンを2回打ったから大丈夫」と油断してマスクを外すなど、感染対策がいい加減になっている方を見かけるようになりました。

予防接種はあくまでも「自分の発症や重症化を防ぐ」ことが目的であり、感染を予防してくれるものではありません。ワクチンを2回打っても感染することはあります(「ブレークスルー感染」と言われるものです)。また、ワクチン接種済みの方が感染した場合に他者に感染させる強さは、ワクチン未接種の場合と変わらないと言われています。

ワクチン接種済みの方も、むしろ発症せずに無症状感染者となる恐れを考えると接種済みだからこそ、これまで通りの感染対策を続けることが大切です。

「ワクチン・検査パッケージ」について言及されるようになってきました。世の中が少しでも平常を取り戻せるならばとても喜ばしいことですが、だからと言って感染対策をおざなりにしてよいということにはなりません。

<空気感染やマイクロ飛沫感染>

感染拡大当初から空気感染やマイクロ飛沫感染の問題が指摘されていましたが、デルタ株の流行で今まで以上に問題視されるようになりました。

これを防ぐには、イメージとして「漂っているタバコの煙を吸い込まないためにはどうしたらよいか」と考えるのがわかりやすいと思います(細かいことを言えばマイクロ飛沫のサイズとタバコのにおい物質のサイズとの違いなどあるのですが、あくまでイメージとして捉えてください)。

まず、タバコが嫌いな方は自分から煙には近づかないですよね。これは、三密を避ける。不要不急の外出を控えるということにあたります。

それに、部屋がタバコ臭ければ、真冬でもガンガンに換気すると思います。換気はとても大切です。ドアや窓を2方向開放しましょう。それが無理なら出入り口に向かって扇風機やサーキュレーターを回して空気の流れを作り、滞留させないようにしましょう。

最近ではアクリル板などのパーテーションがよく設置されています。これは飛沫感染対策には有用ですが、空気感染・マイクロ飛沫感染対策で考えると、区切られた中の空気が滞留しがちなのでかえって感染リスクが増す可能性もあります。天井近くは遮蔽しないようにして空気の流れを妨げないようにする(そしてもちろん、部屋の換気!)など、一工夫を加えてみてください。

<マスクの適切な使用>

Vol.1を書いた1年半ほど前は、不織布マスクが手に入りにくい状況でした。また当時は飛沫感染対策が重要視されていたため、不織布マスクの再利用や布・ウレタンマスクの使用も「マスクを着けないよりは有効である」とされていました。

しかし、不織布マスクが手に入るようになり空気感染・マイクロ飛沫感染が問題視されている現状では、布マスクやウレタンマスクはつけている意味があまりありません。

他人との距離が近くなる、あるいは会話をすることが想定される場面では、不織布マスクを正しく装着(鼻から顎まで覆う、ノーズワイヤーをフィットさせるなど)することがとても大切です。現在当院では、受診時に不織布マスクの着用をお願いしています。

他人との距離を保てる場面では布・ウレタンマスクでもよいと思いますが、例えばジョギングなどでは吐く息が通常の呼吸時より遠方まで飛ぶと言われていますので、他人との距離を保ち続ける必要がありますし、万一途中で知人に会って会話する必要が生じた場合にはきちんとマスクを装着することが大切です。

<感染経路について>

最近では、感染経路不明の感染者が多いと言われています。しかし調査の結果、そのうちの約3分の2の方たちは、多人数で長時間、しかもそのうちの一部はマスクをしない状態で、同席していたことがわかっています(オフィス、会食、バーベキューなど)。

新型コロナウィルス感染症は、発症2日前(もちろんこの時点では無症状)が最も他人にうつしやすいことが知られています。また、無症状感染者自体が少なくない数にのぼります。

「多人数」の中にこういった「判明しない感染者」がひとりでも紛れ込んでいれば、感染が拡大することは容易に想像できます。やはり、基本的な感染対策である3密回避、マスク着用、手洗いがとても重要です。

引用:FNNオンライン
新型コロナ感染者の行動歴(岐阜県発表)←ドキっとした方もいるのでは?

新型コロナウィルスはタバコの煙と違い、臭わないし目にも見えません。その分、ひとりひとりが「能動的に避ける」ことが必要です。
ウィルスをもらわないために、広げないために、ご参考になれば幸いです。

院長 粕谷 奈都子 先生(中川駅前内科クリニック:都筑区中川)

中川駅前内科クリニック 院長粕谷奈都子先生

中川駅前内科クリニック(横浜市都筑区)

 

粕谷先生、メッセージを有難うございます。

ビタミンママも子どもたちの笑顔のため、一日も早い終息を願います。皆さんで力を合わせ協力し合い乗り越えましょう。

最新情報をチェックしよう!