「プラークコントロール」について、井上歯科クリニックの井上俊弘先生からビタミンママにメッセージをいただきました。
皆さんは『歯磨き』の本当の意味をご存じですか?
食事をしなければ歯磨きはしなくていいの?
皆さんは断食道場をご存知ですか?私の友人が 1週間断食道場に行ったのですが、その間、「食事をしないから」と、その間一度も歯磨きをしなかったそう。
びっくりしました。歯医者の立場からするととんでもないことです。
口の中にはたくさんの菌がいます。その中にはいい菌もいますが、歯磨きをしないと「バイオフィルム」という菌の膜が歯の表面にできて悪い菌が増えてしまいます。
悪い菌は、歯と歯茎の境目、歯周ポケット内に入り込んで、私たちの体の中に入り込もうとするんです。バイ菌の栄養は私たちの血液。怖いですね。吸血鬼みたいです。歯磨きを怠ると私たちの口の中はバイ菌だらけになってしまうのです。
そもそも歯磨きの目的は何でしょうか?
そうです、「プラークコントロール」です。
食事後に、歯の間につまった食べカスをとることも大切な役割ですが、バイ菌をとることが 一番の目的なのです。つまり、食事をしなくても、歯磨きはしなくてはいけないということなのです。
そして、「歯磨きは朝起きたらすぐに」。これがとても大切です。私たちの口の中は、寝ている間に唾液が減り、バイ菌が増えます。だから、寝る前と朝起きてすぐの歯磨きがとても大事なのです。
ほとんどの人は、朝食後に歯磨きをすると思いますが、それでは遅いのです。というのも、朝起きてすぐの口の中には、なんと!うんち10g 分に相当するバイ菌があると言われているからです。うんちが好きであれば 食べてもいいですが(?)、やはり朝食と一緒に食べてしまうのは好ましくありません。
バイ菌が私たちの体に入るルートをご存じでしょうか
- 食道を通して胃の中に入り腸に達する。
- 気管を経て肺に入る。これは誤嚥性肺炎の原因にもなります。
- 歯周ポケットから毛細血管を通って脳や心臓に行く。
という3つで、どれもバイ菌の入り口は口です。このことからも「歯磨き」は歯を守るだけではなく、あなたの命を守る大事な習慣だということがおわかりいただけるでしょう。
是非、明日から朝起きてすぐと寝る前の歯磨きを習慣づけましょう。
1ヶ月後には違いがわかってきます。私は世界にこれを広めるために #BBB(Brush Before Breakfast, Brush Before Bedの頭文字)という動画を作りました。世界中の人々がBBBで健康になることを願ってやみません。
▲先生自らがベースを弾くオリジナル楽曲に先生の描いたアニメで編集(井上歯科クリニック/横浜市都筑区)