「朝起きたらすぐに歯磨き」を習慣づけましょう
歯磨きで口の中を清潔に
口の中にはたくさんの菌がいます。いい菌、日和見菌、悪い菌の3種類です。
歯磨きをしないと「バイオフィルム」という菌の膜が、歯の表面にできて悪い菌が増えてしまいます。悪い菌は、歯と歯茎の境目、歯周ポケット内に入り込んで、血液から栄養を取り、私たちの体の中に入り込もうとするのです。歯磨きを怠ると私たちの口の中は、ばい菌だらけになってしまうのです。
そもそも歯磨きの目的はなんでしょうか。そうです、「プラークコントロール」です。ばい菌を取ることが一番の目的です。その効果を効率的にアップさせるために、就寝前後の歯磨きを徹底しましょう。
朝食の後ではなく「朝食前」が肝心です
ここで特に大切なのが、「朝起きてすぐに歯磨きをする」ということ。朝食の後では遅いのです。というのも、私たちの口の中は寝ている間に唾液が減り、ばい菌が増えます。
ですから、朝起きたばかりの口の中には、大便に換算すると約10gに相当するばい菌があると言われているのです。このことから、起きたらすぐに歯磨きをする重要性が分かるでしょう。
ばい菌が私たちの体に入るルートは
- 食道を通して胃の中に入り腸に達する。
- 気管を経て肺に入る(これは誤嚥性肺炎の原因にもなります)。
- 歯周ポケットから毛細血管を通って脳や心臓に行く。
という3つで、どれもばい菌の入り口は口です。歯磨きは歯を守るだけではなく、人間の健康を守る大事な習慣なのです。ぜひ、朝起きてすぐと寝る前の歯磨きを習慣づけましょう。
寄稿
井上歯科クリニック
院長 井上 俊弘先生