誰でもかかる可能性のある「心の風邪」。
早期回復には、早期治療が大切です。
女性に多いうつ病 発症は男性の2倍です
何をしても気分が晴れず、好きだったことが楽しめなくなったり、仕事に集中できなかったり。ほかにも、睡眠障害や、食欲不振、疲れやすいなどの症状に悩まされる方もいます。
また、近年は20代を中心に、過食や過眠を伴う「新型うつ病」も増加傾向にあります。遊びや趣味など楽しいことはできても、仕事や勉強などストレスを感じることを避けるようになるため、周囲から誤解を受けやすいのが特徴です。
日本では人口の2~3%の人がうつ病といわれ、子どもから高齢者までどの世代にもみられます。中でも、男性に比べ女性が2倍多いといわれています。
女性は、不安を感じやすいこと、結婚や出産による環境の変化、更年期の女性ホルモンのバランスの乱れなども、うつ病を誘発すると考えられています。
投薬やカウンセリング
磁気刺激などの治療に加え 日常の環境整備も
治療は投薬やカウンセリングが中心ですが、低下した脳の機能を活性化させるため、脳に磁気を当てて刺激を与える「経頭蓋磁気刺激装置」を使う治療法もあります。これによって、症状が半分程度にまで改善した患者さんも多くいますので、今後期待できる治療法といえます。
症状の緩和には、家族や職場の環境整備も重要です。特に家族の理解や精神的な支援が欠かせないため、カウンセリングでは家族に同席してもらうこともあります。
うつ病にならないためには強いストレスを受けないことが一番です。物事を計画的に少しずつ進め、疲れをためないように心掛けること。それでも疲れてしまったら、睡眠を十分にとって脳をしっかり休ませること、自分を理解してもらえる人に話して、つらさや悩みを分かってもらうこともよいでしょう。
監修
もりの緑メンタルクリニック
院長 加藤 邦夫先生