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生活に支障をきたすほどのワキ汗で
悩んでいる方は皮膚科に相談を。
「汗っかき」と「多汗症」の違い
「汗をかく」ということは、とても大事な機能です。夏の暑い日や運動時など、人は汗をかくことで体温を下げ、体を正常に保とうとします。また、緊張する場面や辛い物を食べたときにも汗をかきます。これらは生理的な発汗であり、汗の量の多少は個性と言うことができるかもしれません。
しかし、そういった環境でないにもかかわらず「シャツに汗ジミができて人目が気になる」「ワキ汗の不快感で勉強や仕事に集中できない」など日常生活に支障をきたすほどの場合は、「原発性腋窩多汗症」という病気の可能性があります。
原発性腋窩多汗症は原因不明
汗が多く出る病気を多汗症といいます。
多汗症は全身性か局所性か、またホルモンや神経の異常など、何らかの原因があって汗が多く出る続発性か、原因となるような病気がないのに、大量の汗をかく原発性かに分かれます。ワキの多汗症の場合は、局所的で原因不明であることが多く、原発性腋窩多汗症と呼ばれています。
原発性腋窩多汗症かどうかの
診断基準
まず、他の疾患が原因でないことを確認した上で、以下の症状のうち2項目以上当てはまり、多量の汗に6カ月以上悩まされている場合、原発性腋窩多汗症と診断します。
- 最初に症状が現れたのは25歳以下だった
- 左右両方から発汗が見られる
- 睡眠中は発汗が止まる
- 1週間に1回以上汗が多いと感じる
- 家族にも同じ症状の人がいる
- 発汗によって日常生活に支障をきたしている
治療にはさまざまな選択肢が
原発性腋窩多汗症の治療は、塗り薬、飲み薬、注射薬を使う方法のほか、微弱な電流を流して発汗を止めるイオントフォレーシス、レーザー治療、手術などの選択肢があります。どの治療法にも一長一短がありますので、まずは塗り薬や飲み薬などから始めて、納得のいく治療方法を医師と相談しながら決めていきます。
原発性腋窩多汗症はまだ認知度が低く、ワキ汗が多くて悩んでいてもどこに相談すべきか分からないという方は少なくありません。別の疾患で多汗になるケースもありますので、多過ぎるワキ汗でお悩みなら一度、皮膚科に相談してみてください。
寄稿
えだ皮膚科クリニック
院長 上西 香子先生
掲載書籍「オトナ女子のための田園都市ライフ」
お医者さんが答える！オトナ女子のココロとカラダのお悩み特集
