子どもの成長は脳の発達と深く関わっているといいます。
そこで、子どもの脳の発達に合わせた習い事についてみてみましょう。
目まぐるしく脳が発達! 幼少期は習い事スタートの好機
脳の発達には順番があり、年齢によってどのような能力が伸びるのかが分かっています。
そのため、脳の発達段階を参考にすると、習い事の適齢期がみえてきます。
脳は生まれてすぐ、後方にある後頭葉・側頭葉から発達がはじまり、3歳頃までには「見る・聞く」が大人と同じレベルにまで発達するといわれています。
その後、3〜5歳頃までに脳の中央部分にある頭頂葉が発達することで、空間認知や感覚、運動野が発達します。
その後、感情や思考、判断、コミュニケーションなどを司る前頭葉が12歳前後をピークに発達するとされており、この前頭葉の完成をもって、脳の体積が大人と同じ程度になります。
脳の発達に合わせた 年齢に合った“伸ばしポイント”は?
脳の発達の順番からみてもっとも効率が良いとされる“やっておくといいこと”をみてみましょう。
知的好奇心を伸ばす 働きかけの時期
生まれてすぐの頃は、子どもへの語りかけやスキンシップを十分に行うことで育む「愛着形成」がとても大切。親から子どもに愛情を伝えることで脳の発達にも良い影響があるとされています。
また、1歳頃からの絵本の読み聞かせは、脳の言語野などの発達に有効です。お父さんお母さんが読み聞かせをしながら対話したり、質問したりといった、一方通行ではないやり取りを行うのもおすすめです。
2歳を過ぎたら、知的好奇心を刺激するような習い事や働きかけで、さらに子どものインプットを増やしてあげましょう。
運動や楽器など、 体を使う習い事のはじめどき
運動野の発達がピークを迎えるこの年頃は、どんどん体を動かすといい時期。運動能力には、全身運動の能力と手先の器用さなどを指す能力とがあり、どちらの能力を伸ばすことも大切です。
体を動かす習い事はたくさんありますが、脳の成長の観点からみると、「運動すること」自体に大きな意味があるため、何をさせるかより子どもが楽しめるかどうかで選ぶのがおすすめです。
手先の器用さを伸ばす習い事の代表格が楽器の演奏です。例えばピアノの場合、譜面を覚えるワーキングメモリ、鍵盤を正確に弾く空間認知能力、リズム感など、ほかにも多くの能力向上が見込めます。絶対音感を身につけるにも、この時期が最適です。
効率的な語学習得を めざすベストタイミング
英語など、母国語以外の言語の習得は脳の前頭葉の下に位置する言語野の発達と密接で、この発達は8〜10歳頃とされています。効率的に英語をマスターしたいと考えるなら、この年代がスタートの目安です。
しかし、脳には「単純接触効果」があります。頻繁に触れ合う機会が多いほど、その事がらに対して親しみをもつようになる性質のことで、早いうちから英語に触れておくことには意味があるといえます。また、早期に子どもの「得意」を見つけるチャンスになるかもしれません。