【FPに聞く】教育費の「今」と知っておくべきこと

教育は未来を築く大切な投資ですが、かかる費用は家庭によって異なります。FPの峯さんに、無償化での幼稚園から大学までの教育費、私立と公立の差、保険、投資、非課税制度について伺いました。

受けさせたい教育によりかかる費用には幅がある

令和5年度における幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の学習費総額は、すべて国公立を選択した場合で子ども1人当たり約596万円。

すべて私立を選択した場合には約1,976万円です。大学への進学を考えた場合には、さらに数百万円上乗せすることになります。

一方で、令和元年から幼児教育・保育の無償化が始まり、さらに令和7年度から公立高校の授業料完全無償化、令和8年度からは私立高校についても所得制限なしの就学支援金の上乗せが実施される予定です。


※高等学校は「全日制」を示す。
※表内の各金額は、各年度における学校種別の各学年(年齢)の平均年額を単純合計したもの。

教育費は高額なうえ、進路によって金額に幅があります。そこで、子どもの将来を考え、どんな選択が最適なのか、公的制度の適用も視野に入れながら、早いうちから将来の教育方針について家庭内でも話し合っておく必要があるでしょう。

教育資金は早めの準備を
今の時代は投資も視野に

ファイナンシャル・コンサルタントの峯 達也さんによると、今の時代は、教育のための資金繰りにも投資や積み立てを活用してほしいと言います。

「今はアメリカの金利が非常に高いので、例えば1,000万円払って、10年後には150%の1,500万円になる商品もあります。
ただし、金利の変動があり、タイミングや為替のレートによって変わりますし、もちろん、投資なのでリスクもあります。
ただ、今の状況ですと、預けるときに1ドル150円だった場合、10年後、1ドル100円になっていたとしても、100万円が100万円で戻ってくる計算です」。

現在、新NISAがトレンドになっていますが、よくわからないという理由で口座を開設しなかったり、口座を開設したけれど投資をスタートしなかったり、という人もいまだに多いのが現状です。

「育児や仕事に追われる中、一歩乗り越えて何かを始めてみるのはすごく大事なことだと思います。

もしどうしても不安ならプロに上手に頼ることもひとつです。
よく、まとまったお金がないから…と言われる方もいらっしゃいますが、1万円、2万円といった少額からでも十分です。
かわいいわが子の教育資金のため、と思えば、親も頑張れるのではないでしょうか」と峯さん。

わが子の教育資金 横浜市青葉区 ビタミンママ

また、子どもの祖父母に協力してもらうことも、今どき外せない選択肢です。

「そもそも、教育費用は非課税の対象になっています。
それには周りの大人みんなで子どもを支えていくという背景が反映されているからです。
教育資金の不足分を、各種非課税制度を利用して賄うのもひとつでしょう。いまや親族みんなで子育てする時代です」。

【教育資金の非課税制度】

教育資金に関する非課税制度もあります。詳しい条件や申告方法などは国税庁のホームページで確認してください。

◆暦年贈与 年間110万円までの贈与は使用目的や贈与者などに関係なく、原則的に非課税に。申告も不要です。
◆都度贈与 祖父母が孫の教育費や生活費のうち、必要と認められるものをその都度贈与する場合に非課税に。非課税額の上限はありませんが、一般的な金額を超えない範囲が目安。
◆教育資金の一括贈与に係る
贈与税非課税措置
(令和8年3月末まで)
0歳未満の受贈者が直系尊属から教育資金の贈与を受けた場合、受贈者1人当たり最大1、500万円までが非課税に。23歳未満は500万円までは習い事なども非課税に。受贈者側の所得制限あり。

※贈与は使途を明確にしておくことが大切です。手渡しでなく振り込みにしたり、領収書を保管したりして、贈与額や贈与日、使用目的を明確にしておくようにしましょう。

学資保険は高校・大学進学を視野に

貯蓄型の学資保険は「早いうちからコツコツ」と

学資保険は、教育資金を準備するための貯蓄型の保険。

保護者に万が一のことがあった際にも子どもの教育資金が準備でき、年末調整や確定申告の際には生命保険料控除の対象になるという多くのメリットがあります。
「学資保険は、高校・大学進学に向けて、まとまった資金を用意できることを前提として設計されており、中学や高校入学のタイミングで一時金を受け取るなどしながら、長い時間をかけてコツコツ貯めていくタイプの商品です。

そのため、短期間でまとまった教育資金を用意したい場合には適さないかもしれません。いずれにしても教育資金対策は早い時期から取り組んだ方がいいでしょう」(峯さん)。

お話を伺ったのは

ファイナンシャルコンサルタント2級ファイナンシャル・プランニング技能士 峯 達也 さん

ファイナンシャルコンサルタント
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
峯 達也 さん

慶応義塾大学法学部政治学科を卒業後、東京海上日動火災保険株式会社に入社。
2018年より、総合保険代理店にて個人・法人の生命保険・損害保険のファイナンシャルコンサルタントとして活動。
その一方で、社会人サッカー東京都1部リーグでも活躍。現在は3歳と1歳のお子さんのパパでもあり、FP×サッカーコーチ×パパの三刀流。

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