いつだって前向きで、まわりにいる人も幸せにしてしまうくらいキラキラと輝いている人。
それはきっと、自分らしく生きている“ウェルビーイングな人”。
この街にはそんな生き方をしている人がたくさんいます。
街で出会ったウェルビーイングな人たちの生き方からあなたらしく生きるヒントが見つかるかもしれません。
子育ての挫折から自立へ
再び社会に出て直面した年齢の壁
社会保険労務士、人材紹介会社経営、女性起業家コミュニティ主宰…とさまざまな肩書きをもつ長橋知世さん。実は10年くらい前はごく普通の主婦でした。結婚して子どもが生まれると、家庭に入り、子育てに専念。ところが、一生懸命やればやるほど、子どもに反発されてしまったといいます。「世話を焼きすぎてしまったからか、子どもの〝自分からやりたい〟とか、〝やればできる〟という気持ちが育たなくなってしまったんです。そこで、次男の高校入学を機に子育て卒業を宣言。「私は私の道を探す」ことを決意します。
▲株式会社With us(ララワーク、ララ・コンシェルジュ)/サポートプラス社会保険労務士事務所 長橋知世さん
まず長橋さんが選んだのは、社労士の資格をとることでした。この資格をもって、企業に就職しようと考えたのです。猛勉強の末、2年越しで資格を取得。意気揚々と就活を始めたものの、そこにあったのは、「年齢の壁」。面接すらしてもらえない現実でした。当時は45歳。資格はあるものの、キャリアがないため履歴書はブランク。「土俵に上がることすらできませんでした」と長橋さん。ご主人は、というと、「ただ私が好きで勝手にやっているだけ、そんなことで暮らしていけるはずがないという感覚で見ているようでした。それが本当に悔しかったですね」。
子育てに奔走していた29歳の頃の長橋さん。「人は思い通りにならないことを子育てから学びました。子育てはまるで修行のようなもの。その経験はキャリアとして社会で必ず活かせるはず」。
「主婦、子育てをキャリアに」
女性の力を社会に活かす一助に
今では、起業し、顧問先100社を抱える社会保険労務士事務所のトップとして成功を収めた長橋さんですが、「企業は45歳の私に面接すらしてくれなかった」という違和感がずっと心の中にくすぶっていたといいます。
「まわりのママ友を見てもみな優秀な方ばかり。なぜ社会はこういう優秀な人材を認めないのだろう」長橋さんは疑問に感じ始めます。主婦は、炊事、洗濯、掃除のほかにも、子ども世話、家族の送迎、スケジュールの管理、その間にもパートに行くなど、毎日これらをテキパキとこなしています。それはまさしく社会でも通用するキャリアになるのではないか。ところが「資格をとるなんてとんでもない」「フルタイムで働くなんて私には無理」とみな口をそろえます。
社会保険労務士事務所を経営する傍ら、セミナーなどで登壇する機会も増えました。
「彼女たちを一歩踏み出させるにはどうしたらいいのか」そう考えた長橋さんは、起業家たちのストーリーを発信するコミュニティ「ララ・コンシェルジュ」を立ち上げました。そして、女性の再就職を応援する人材紹介会社「ララワーク」を設立します。「ララワークは働く場所や時給だけではなく、20年後、30年後、もっと素敵な人生を送っていくために今どうしたらいいのかを一緒に考えていきたいと思って取り組んでいます。社会と関わりながら人生を送ると、いろいろな人と出会って学ぶことも多いですし、人生がとても豊かになると思います」。
もう一度社会に出ることに躊躇している人が一歩を踏み出せるように背中を押してあげること。今やそれがライフワークだと語る長橋さん。「いろんな人がいていろんな人生があっていい。一度家庭に入った人も、もう一度社会に戻るという選択肢があってもいい。主婦たちが社会に出ていくことはすごく価値のあることだと社会に認識してもらうことが、先輩主婦としての私の使命だと思っています」。
2022年に立ち上げた「ララ・コンシェルジュ」は、わずか1年でメンバー100名を達成!記念パーティーを開催しました。
「ララ・コンシェルジュ」
セカンドキャリアの女性コミュニティ。ランチ会やオンライン交流会、セミナー勉強会などを行いながら、起業に至るストーリーをデジタルブックにまとめて発信しています。
「ララワーク」
40代からの再就職を応援する人材紹介会社。就職先の紹介、履歴書指導や面接練習をはじめ、就職後のフォローも充実しています。