デキる力「非認知能力」というフレーズを耳にしたことがある人も多いでしょう。
点数で表せない、社会で生きていく上で必要とされる能力の総称です。
海の研究を通じた教育に長年携わるお二人の教授に、非認知能力とはどんなものなのか、また海遊びによって育まれる非認知能力と、子どもとの接し方についてお話を伺いました。
非認知能力とはどんなものだと思われますか?
佐々木先生:生き物はみんな、食べていくためにはどうすればいいんだ、子孫を残すにはどうしたらいいんだ、と必死で生きています。言い換えればすべての生き物に共通する本能であって、それが非認知能力なんだと思います。
千足先生:人間の本能、あるいは野性がどんどんなくなってきている時代ですよね。野生動物は生き延びることがすべてですが、現代人はそういう部分が削がれてきている。だからこそ、自然や生き物に触れ、観察することで、野性に気付く機会を得てもいいのではないかと思います。
佐々木先生:たとえば人間だって、高度経済成長期以前は、食べ物を腐らせないようにすることも、衣類を洗濯して衛生を守ることもライフスキルだった。でも、今は冷蔵庫とか洗濯機とか課題解決の方法がたくさんあり、解決すべき課題を実感する機会が少なくなっています。どんな課題を見つけて解決するか、それぞれの感性を頼りに、自分自身で発見していかなければ生き残れないという流れもあって、非認知能力が注目されてきたのでしょう。
千足先生:世の中の変化に自分たちがどう対応できるか、いかに自分なりの核をもつかが大事だと思います。ライフスキルもそうですけれど、メンタリティも大事になってきます。私自身、海の活動を通じて、ものの見方や考え方を身につけられる可能性があると思っています。海や川といった水辺で遊ぶということは、常に変化する環境に対応することですからね。
先生方の研究内容や、少年時代の経験、海遊びの際の親の心構えなど、詳しくは「新装版・非認知能力を高める海遊びの本」をご覧ください。
ビタミンママ別冊『デキる子どもを育てるシリーズ Vol.1 海遊びの本』では、子どもの自己肯定感を育む親子遊びとして海遊びの楽しみ方を紹介しています。→ビタミンママ別冊『デキる子どもを育てるシリーズ Vol.1 海遊びの本』の詳細ページへ