専門性の高い医療技術で 動物たちの負担を極力軽減

トリミングは「病気発見の窓口」の1つ。当院では、トリミングの際に簡易身体検査を行い、気付いた変化を獣医師に伝えるのもトリマーの仕事(たまプラーザどうぶつクリニック:神奈川県横浜市青葉区美しが丘)▲トリミングは「病気発見の窓口」の1つ。当院では、トリミングの際に簡易身体検査を行い、気付いた変化を獣医師に伝えるのもトリマーの仕事(たまプラーザどうぶつクリニック:神奈川県横浜市青葉区美しが丘)

――動物たちに負担をかけない診察に定評があると伺いました

井上先生 獣医療の進歩の中、動物たちにほとんど侵襲がない検査でありながら、重要な情報が得られる超音波検査に力を入れています。心臓の超音波検査ではレントゲン検査でつかみきれない心臓内部の情報が得られます。腹部の超音波検査では各臓器の情報はもちろん、血管やリンパ節、そして現在の水準では消化器を診ることも可能です。

デジタルレントゲンの導入で、撮影時間が大幅に短縮され、放射線量も最小限ですむため、動物たちへの負担も大きく軽減されています(たまプラーザどうぶつクリニック:神奈川県横浜市青葉区美しが丘)
▲デジタルレントゲンの導入で、撮影時間が大幅に短縮され、放射線量も最小限ですむため、動物たちへの負担も大きく軽減されています(たまプラーザどうぶつクリニック:神奈川県横浜市青葉区美しが丘)

一昔前なら開腹せざるを得なかった病変部の確認も、超音波検査下で多くの場合無麻酔で、患部に細い針を刺して一部を採取することで、細胞診などの精密検査を行うこともできます。しかし、超音波検査は高度なテクニックが要求されますので、専門の講習を受けるなど日々技術鍛錬に努めています。

また、当院のレントゲン検査はDR装置(デジタルラジオグラフィー)を使用しています。DR装置は今までのX線装置に比べて低いX線量で撮影が可能なために余計な被爆を避けることが出来ますし、デジタル処理ならではの高画質画像が得られます。

そして何より、1枚撮影した後ほんの数秒で次の撮影が可能なために、動物が拘束される時間がとても短くすみます。
被曝量が少なく、短時間で綺麗な撮影が可能なので、動物たちの負担も軽減します。

動物たちも思わず来たくなる!トータルケアが可能なクリニック

ベランダはドッグガーデンとして利用。大型犬で も思い切り遊べるスペースで飼い主にも大好評(たまプラーザどうぶつクリニック:神奈川県横浜市青葉区美しが丘)▲ベランダはドッグガーデンとして利用。大型犬で も思い切り遊べるスペースで飼い主にも大好評(たまプラーザどうぶつクリニック:神奈川県横浜市青葉区美しが丘)

――ドッグガーデンやトリミングサロン、ペットホテルが併設されていると伺いました

井上先生 実はこれらの設備は、それぞれ独立しているものではなく、全て診療に結びついています。予防接種や体調不良のときに来院する動物たちにとって、動物病院=怖い場所というイメージがつきやすく、診察の際に、緊張により心拍数が上がってしまったり、興奮して正確な情報が得られない場合があります。

そのため、元気なときから院内のドッグガーデンやペットホテル(通院が利用条件)を利用していただくことで、院内の雰囲気や私たちスタッフにも慣れてもらおうという狙いがあります。また当院のトリマーは、トリミングの際身体を丁寧に観察する事を学んでおり、体調や皮膚の変化、リンパ節の腫れ、外耳炎や結膜炎など、病気の早期発見に貢献しています。

――予防獣医学を推進していらっしゃいますが、どんなことに取り組んでいらっしゃいますか?

井上先生 当院では健康管理の一貫として、Dog DOC・Cat DOC(犬・猫の定期健診)、眼科健診を行っています。普段の健康状態を知るための大切な手がかりになります。

また病気の有無をチェックすると同時に健康時のデータを取っておくと言う目的があります。実は正常値には凄く幅があるのです。例えば犬、猫の場合、血液中の白血球の正常値は5,000〜15,000/μl(以下単位省略)とされていますが、仮に通常5,000のものが15000の数値を出せば、正常範囲ですが3倍に増えていることになります。これは普段のデータを定期的に把握しているからこそ気づけるのです。

そして毎年定期検診を受けていれば、経年による変化も明確になります。その結果をもとに病気の予防や、食事の内容改善などのアドバイスもできるので、動物たちの健康寿命を延ばすことにもつながります。

 

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院長 井上 英樹先生(たまプラーザどうぶつクリニック:神奈川県横浜市青葉区美しが丘)
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