森村学園初等部のモットーは「しっかり学び、とことん遊べ」。新しい発想や考え方を生み出すための「学び」はもちろんのこと、「遊び」も好奇心や探究心を育み、社会性を養う場として大切です。校長先生にお話をお伺いしました。
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学校が安心できる場所で、先生や友人に何でも言える環境があるからこそ、自ら考えて対話し行動できる力がつきます
与えるのではなく引き出す
達成感が生きる力に
森村学園は、日米貿易の先駆者として活躍した実業家、森村市左衛門が1910年に創立した学校です。
市左衛門は当初から、単なる詰め込み教育に反対していました。
一方的に与えるのではなく、子どもたちの中に秘められた無限の可能性からさまざまなものを引き出してあげることが重要だ、と。
今から百年以上も前ですが、これこそ現代にも通じる、子どもたちの生きる力を育む教育の本質だと考えています。
子どもたち自身が何をしたいのか。みんなとの対話を通して考え、行動する。
小学校のときには、そうした経験が特に大切です。
そのためには、授業や日々の活動のなかで、意見を言いやすい環境を作ってあげる必要があります。
たとえば、コロナ禍前の6年生の林間学校では、「山登りとキャンプファイアーをする」という大枠だけ提示して、具体的に何をするかは実行委員を中心とした児童にすべて任せました。
自分たちでやり遂げたという達成感の積み重ねにより、子どもたちの中に本物の力が育っていくのです。
鋭い感性と表現力
人間関係も将来の宝に
五感を刺激し、豊かな感性を育むことも大事です。自然環境に恵まれた本校は、毎日が刺激に溢れています。
心のなかで感じたことは表現しないと対話が始まりませんから、体系的に言葉を学ぶ「言語技術」の授業で コミュニケーション能力にも磨きをかけます。
学校が家庭の次に安心できる場所であるように、教員は子どもたちと接するとき、常に笑顔でいることと否定しないことを心がけています。
幼稚園から高等部までの一貫校ですから、自然と縦の関係性も生じ、学校全体が大きな家族のような温かさに包まれています。
考える力、表現力、鋭い感性に加え、そうした人間関係も、子どもたちが社会に出てからの大きな財産となるはずです。
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