問題解決能力を養う第一歩
絵を合成・分解する「欠所補完」
欠所補完の問題は、欠所部分がどのような形になるかを考える想像力、正解の選択肢に近いダミーを見抜く注意力、観察力などに着目されます。
ただ、問題の性質、あるいは子どもによって問題を解くアプローチの仕方が変わるので、求められる力が少し変わるのが特徴です。一例ですが、以下の問題をもとに考えていきます。
隠れたところに何があるか、想像力が必要です
○と△のしかくに はいる え に それぞれのしるしをつけましょう。
上のような問題ですと、絵の欠所部分を先に着目することが多いです。その欠所部分がどうなっているのか、おおよそ想像した上で、その想像にあった選択肢の絵を探し、状況によってはその中で絞り込む必要が出てきます。この場合、想像力がまず必要で、問題の難易度により、注意力も必要になります。
絵を見比べる観察力が必要です
ひだりに ある え の しかくに はいる え に ○をつけましょう。
一方で、上のように選択肢の絵が似ている場合は、先に選択肢に着目することが多く、選択肢の絵と、欠所がある絵で重なる部分があるものを消していき、残ったものの中でふさわしいものを改めて絞り込む必要が出てきます。この場合、選択肢と欠所がある絵を比べていく観察力、そして絞り込む際の注意力が必要です。
この問題の解き方自体が直接今後の学習につながるわけではありませんが、ひとつの問題に対して複数の力で取り組むという経験は非常に大切です。
想像力や観察力をもって取り組み、注意力で絞り込むという行程そのものが、小学校に入ってからの国語の選択肢問題への取り組みや、その後の人生の問題解決能力などへの最初の一歩につながると思います。
家庭学習ではペーパーで解くときに、何となく選んで正解してしまっていないか、正解に至る思考過程を保護者の方が言語化し、子どもと対話しながらやっていくことが望ましいでしょう。