「褒めポイント」を逃していませんか?褒めて伸ばす子育ての秘訣とは?

子どもは「褒めることが大切」という認識の下、「褒めて伸ばす」子育てを実践しているという方は多いのではないでしょうか。実は、大切なのは「褒めること」ではなく、「褒めるタイミング」で、タイミングを間違えると逆効果になることも??子どもは親が思う以上に、親の表情を読み取って褒められようと頑張っています。そんな子どもの気持ちや親の想いに寄り添い、長きにわたり多くの親子をサポートしてきた横浜市港北区の「幼児教室マナーズ」南坊まどか先生にお話を伺いました。

有名私立小学校の試験対策を講じ、高い実績を誇る「幼児教室マナーズ」。1993年の開校以来、「自分で考え、判断し、行動できる子どもの育成」をモットーに、きめ細かな指導を行っています。指導にあたるのは代表の南坊まどか先生。

「褒めポイント」を逃していませんか?

お子さまが何かを成し遂げた時に、「やったね!じょうずにできたね!」と声をかけている場面をよく目にします。こどもを褒めることは自己肯定感に繋がり、とても大切なことですが、もっと褒めるタイミングがあるのにチャンスを逃しているなぁと思うことがしばしばあります。

まだ喋れない赤ちゃんの頃を振り返ってみてください。
赤ちゃんの頃、初めて手をパチパチできたり、物を掴めたりすると「上手~!できたね~!」と褒めますよね?赤ちゃんであっても、ママの笑顔や表情から「できた⇒褒められる=嬉しいこと」とインプットされ、再度チャレンジする。また褒められて嬉しくてチャレンジ…と繰り返すうちにできることが増えていきます。また、赤ちゃんの頃は、どんな小さなことであっても、そして、それが失敗したとしても、赤ちゃんの新たなチャレンジに対して「すごいね!」と心からの賛辞を送っていたのではないでしょうか。

ところが…時が流れてお子さまが成長し、ボール遊びの場面を思い浮かべてみてください。例えば、親が投げたボールを子どもがキャッチできたときに「キャッチできたね~!」「上手だね!」と褒めると思いますが、実はそこに至る「過程」にも頑張った場面はたくさんあります。ボールの方向をしっかり見る、ボールが取れる場所に移動する、手を伸ばすなど、「キャッチ」という結果の前にも褒めるタイミングがたくさん潜んでいるのです。
結果だけではなく、『過程』に潜む「褒めポイント」をたくさん見つけてタイミングよく褒めてあげることが大切です。

チャレンジ精神が低い子が増えている!?

最近は、新しいことにチャレンジするのを躊躇する子が増えている印象です。「過去に成功したことがある」「褒めてもらったことがある」ことには自信満々に取り組みますが、初めてのこととなると慎重になる子が多いようです。
慎重な子に多いのが、「失敗すると褒めてもらえないかもしれない」という心理からチャレンジを思いとどまってしまうケースです。こどもはママのことが大好きで、ママに一番評価をされたいという想いから、成功して喜んでもらえることをやろう!と思ってしまうのです。ママをガッカリさせせたくないんですね。

褒める場面を増やしてあげれば、子どもは安心してチャレンジができるのです。
例えば縄跳び。飛べるコツを掴むまでは何度も失敗します。「がんばれ!」の応援ももちろん大事ですが、「初めてなのにチャレンジして凄いね~」「引っかかっちゃったけど、また練習するの凄いよ!」と失敗も褒める、失敗を共感してあげることが『チャレンジする姿勢を育む』ことに繋がります。

「よく頑張ったね」ではなく「よく頑張ってるね」がママも口癖になるようにして欲しいですね。

ママ自身が自分を「褒める」ということ

「子育てに自信がない」「もっと子どもにしてあげられることがあるはず」

そう悩むのは、子育て熱心なママや働くママによくあることです。
ママ自身が自分の「過程」を褒めていない、認めていない。結果だけを求めるから子供にも結果を求めてしまうのではないでしょうか。この背景にはひとつに「早期教育」の存在があると思います。複数の習い事、通信教育、ネットで情報収集…ママはマネージャーと化していることが多い印象ですね。
習い事や通信教育などは、プロにしか教えられないことでもあり、子どもの経験として大切なことだと思いますが、仕事のようにスケジュールを組んでこなしている親子が少なくないのではないでしょうか。とても残念に思います。
遊びについても同じことです。旅行やキャンプ、おいしい食事を食べに行ったり、知育に繋がる施設へ足を運んだり…。普段は仕事でゆっくり遊んであげられない、パパのせっかくの休みだから…と、我が子との思い出作りのため頑張っているご両親は多くいらっしゃいます。ご両親からは充実した時間を過ごせたという話を聞きますが、実際にレッスンで「最近楽しかったこと」を絵に描いたり発表したりする場で子どもに問うと、意外と普段行く公園で遊んでいた時に転んだことや、虫の死骸を見つけてママが嫌がっていたこと、バアバに褒められたことなど、日常の何気ないひとこまが子どもの大切な思い出となっていることが多いのです。

つまり、頑張りすぎずに子育てをすることが「良い子育て」に繋がることもあるのです。
「私よくやってますよ!」なんて自分で言えるママは数少ない。だから多くのママが「子育て」の評価を求め、子どもの評価=自分の評価と捉えがちになり、余計にママを頑張ろうとする。我が子が褒められる=自分も褒められているようで嬉しくて余計に頑張ってしまう。
「みんな手探りなんだ」「自分もまだ未熟なんだ」と認められることが第一歩です。新しいことへの準備に必死になるのではなく、ベストを求めるのでもなく、ベターを意識することで十分なんだと思います。ご自身が思っているよりも、本当に本当にママはよく頑張ってます。

これからは、寝るときに「今日は頑張った~」と無理にでも自分を褒めてみる。そんな習慣をつけてみてください。具体的に何を頑張ったのかいくつか出してみることも良いと思います。自分を肯定する癖がつくと子育ても生活もかわってきますよ。
そして、お子さまとたまには家でのんびりしながら「ママの小さなころの失敗談」を話したり、気の向くままに家にあるもので制作したりクッキングしたり、親子の時間を作ってみてはいかがでしょうか。一緒に新しいことにチャレンジして、一緒に失敗するのも良いですね。それが子どもにとって大切な思い出になるかもしれません。

子育てに一番大切なのはママの笑顔です。ママ自身が自分自身を認めて褒めることができるようになれば、子どもを褒めるタイミングも自然と見えてくるでしょう。

お話を伺ったのは

幼児教室マナーズ 南坊まどか先生

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