▲和光鶴川小学校:東京都町田市
和光鶴川小学校の敷地の3割を占めるのが、自然豊かな雑木林です。遊び場として、ときに学習の場として、子どもたちはここで過ごす時間を楽しみにしています。雑木林にはたくさんの発見や不思議が存在しています。「これは何という虫かな」「霜柱ってどうしてできるの」など、子どもたちの好奇心は尽きません。そんな「なぜ」から、主体的な学びが生まれます。
▲廊下との壁がない、開放的な教室は和光鶴川小学校の最大の特長です。広々とした空間は授業のほか、さまざまな活動で活用されています(和光鶴川小学校:東京都町田市)
「朝の会」は、子どもたちが見つけたものや面白いと感じたものを持ち込んで発表します。ある子どもは朝の会で「謎の種を見つけた」と発表しました。クラスのみんなが興味を持ち、だったら植えてみよう、と。芽が出て、みんなで調べて、それが何の種かが分かりました。これをきっかけにそのクラスに種のブームが起こり、レモンやハツカダイコン、中には梅干しの種を持ってきた子も。さらにヤシの実を持ってきた子は「これって種?それとも実?」という疑問をみんなに投げかけました。
一つの種を機に、子どもたちの学びが深まっていく。こんなシーンが日常的に繰り広げられています。そんな子どもたちの好奇心や探究心が芽生える瞬間を大切にするため、本校ではノーチャイムを採用し、授業内容によっては、時間を延長することもあります。このように、子どもたちが知りたいこと、学びたいことを納得するまでとことんできる環境を整えています。
▲5年生の体育では、フラッグフットボールに挑戦。タックルの代わりに腰につけたフラッグを奪うアメリカンフットボールです(和光鶴川小学校:東京都町田市)
授業でも、子どもたちのやりたいこと、知りたいことを出発点に学習を進めています。教員は子どもたちの考えや意見を決して否定しません。自分の頭で考え意見をもつこと、それをしっかり伝えることを大事にしています。また、相手の意見をしっかり聞くことも大切にしています。6年生になると年間で50以上の役割が用意されています。運動会や秋まつり、劇の会など、一人一人の得意や個性に合わせて、どの子にもリーダーになる機会が与えられます。行事では全児童が役割をもち、子どもたちが中心となってさまざまな内容が創られます。こうした経験は必ず、子どもたちの未来の力になると信じています。
お話
和光鶴川小学校
校長:大野裕一先生