子宮内黄体ホルモン放出システム ~避妊、そして生理痛にも有効(ミレーナ)~

過多月経・月経困難症などの治療目的は保険適用 コストパフォーマンスの良さも魅力です

月経に関する悩みを改善する選択肢のひとつ「ミレーナ」

月経が多い、生理痛があるなどは、多くの女性がもつ悩みです。しかし、ほとんどの場合、お腹を温めたり、市販の鎮痛剤を使用したりと、病院に行かずに我慢しているのが現状です。

婦人科で、超低用量ピル(以下、ピル)を処方してもらっている、あるいは検討している、という方もいると思いますが、さらに、もうひとつの選択肢として知っておきたいのが「ミレーナ」です。

2007年に日本国内で承認された、いわゆる「避妊リング」と呼ばれているもののひとつで、長期避妊目的で使用されていますが、2014年9月からは過多月経や月経困難症などの治療目的で使用する際には、保険適用になりました。

40歳以上や、高血圧・肥満など ピルを使いづらい方にも

ミレーナは、T字型の柔らかいプラスチック製の器具を子宮内に装着します。

従来の避妊リングと異なり、子宮内に黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を継続的に放出することで、子宮内膜の増殖を抑えるため、月経量を減少させ、生理痛を軽くします。

40歳以上の人や喫煙習慣、高血圧、肥満、血栓症があるなど、リスクが高くなりピルを使いにくい条件の方でも比較的安心です。

楽になっても検診スキップはNG 1年に1~2回は 必ずチェックしましょう

ミレーナを装着してから1~2カ月程度は、出血や軽い下腹部痛が断続的にダラダラと続きます。しかし、それも3カ月程度でほぼなくなり、その後は、時間の経過とともに月経の量や痛みが減り、1年後には約20%の方の出血がなくなります。

ここで注意したいのが検診です。つらかった生理痛から解放され、装着による不具合も感じないため、忘れたり、「大丈夫」と自己判断したりで、検診への足が遠のきがちになることが多いのです。

しかし、装着の1カ月後、3カ月後、6カ月後はもちろん、その後も1年に1回から2回の検診を必ず受けるようにしましょう。

 


監修

やすこレディースクリニック 横浜市都筑区 センター南駅 産科 婦人科

やすこレディースクリニック
院長 林 康子先生


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