【教えてドクター】どんな症状のときに子どもを耳鼻科に連れていくとよい?

鼻水が多いときや、年2〜3回の耳そうじに
私たちは、耳、鼻、のどの専門家です。

子どもがどんな症状のときに、耳鼻科に連れていけばよいですか?」という質問をよく受けます。これに対して私は、「鼻水が多いときはぜひ耳鼻科に来てください」とお答えしています。また、「風邪をめったにひかないのであれば、1年に2~3回、耳そうじに来てください」と言う場合もあります。

風邪で鼻水が多いとき、耳鼻科を受診するとよい理由は、驚くほど中耳炎が隠れているからです。「急性中耳炎」であれば痛みや熱が出ることが多いですが、痛みがないことも少なくありません。また「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)」という、そもそも痛みや熱がないのが特徴の中耳炎が乳幼児にはとても多いです。

耳鼻科を受診して急性中耳炎や滲出性中耳炎を見つけなければ、誰にも気づかれずに長期化し、将来の難聴や慢性中耳炎の原因になりかねないのです。子どもの耳はとても狭く、内視鏡や顕微鏡で見なければ正確な観察は困難です。「鼓膜が赤い」「鼓膜は赤くない」「中耳炎っぽい」「中耳炎ではなさそう」「中耳炎になりかけ」では安心できません。

鼻水が多いときは風邪以外に、アレルギー性鼻炎や花粉症、副鼻腔炎などについての判断も必要です。こちらも耳鼻科では鼻の中の粘膜などを直接観察して診断します。また、鼻水が多いときに薬を処方するだけではあまり楽にはなりませんが、鼻水を吸い取ってあげると早く楽になることがしばしばあります。

お子さんは自分では十分に鼻水を出せませんので、大人以上に耳鼻科受診の価値が高いと言えます。耳鼻科医は「耳」「鼻」「のど」の専門家ですので、鼻やのどにあまり症状がないときは、小児科などを先に受診することをおすすめします。

風邪かなと思ったときは、鼻に注目して受診する科を決めるのが得策です。また、風邪をあまりひかないのであれば、耳そうじだけでもよいので年に2~3回耳鼻科に来ていただければ、と思います。そうすれば中耳炎になっていないかのチェックも同時に受けることができます。家で耳そうじをすると奥に押し込んでしまうことが多いので、その解消にもつながります。

初めての場所は、子どもは大人以上に緊張します。行き慣れた耳鼻科を作っておけば、いざ風邪などで鼻水が多いときに受診しても、スムーズに耳や鼻をみせてくれるものです。

当院は院名の通り、大きな窓から電車が見えます。電車好きのお子さんでしたら、電車を見に来たついでに耳そうじをしてみるのもいいでしょう。

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宮前平トレイン耳鼻咽喉科 ビタミンママ

宮前平トレイン耳鼻咽喉科 伊東祐永先生

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