開成中学校・高等学校の前校長の柳沢幸雄先生は、息子が在校しているころ、私たち保護者に向け、ことあるごとに「自己肯定感」の話をしていらっしゃいました。
確かに「自分はできる」「自分は認められている」というポジティブな考えは、中学受験の勉強をしていく上で、メンタル的にも非常に大切なことであると考えます。予期せぬ大きな壁にぶつかったときでも、乗り越える力となることでしょう。
では、家庭で自己肯定感を高めるにはどうしたらいいのでしょう?私は、親子の会話こそ、自己肯定感を高める1つの手段ではないかと考えています。そこで、親子で自己肯定感を高める会話をするために、実際わが家で心がけてきたことをお話したいと思います。
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小さい頃は聞き役に徹する
子どもがまだ幼いころや低学年のうちは、私は聞き役に徹していました。子どもは自分が体験したすべてのことを「ねぇ、ねぇ、聞いて、聞いて。」と母親に話しますよね。こちらが忙しくしているときでも、お構いなしに(笑)
確かに忙しいときは「あとでね。」と言うこともありましたが、3回に1回くらいはその忙しい手を止めて、子どもに向き合うように心がけていました。
基本的には口を挟まず、「うんうん、それで?」とか、「へぇ~それからどうなったの?」などと相づちをうち、「それで、まめ(長男)はどう思ったの?」「それは大変だったね。それでそのお友達はどう思っているのかな?」などと、話がどんどん出てくるように言葉かけをしました。
嬉しい楽しいことばかりではなく、悲しみや腹が立つことなどにも、心をフラットにして子どもの話に耳を傾けました。悲しいことや腹が立つことは、こちらが真剣に話を聞いていると、子ども自身が自然と心に収める手段を考えているようにも見えました。
つまり、小さい子どもでありながら、自分はどう考え、どういう行動を取るべきかを頭の中で整理し、母親である私に一生懸命に伝えようとしていたのです。そしてその自分の考えを丸ごと聞いてくれるということで、自分の存在が認められていると思うようでした。
私たち親の考えを話すのはひとまず置いておいて、まずは子どもの心の考えに耳を澄ませてみてはいかがでしょうか。
高学年の子どもへのオススメは親の失敗談
子どもの話を聞くということを意識して子育てをしていると、子どもたちは中学年や高学年になっても、学校のことをはじめ、さまざまなことを話して聞かせてくれます。いわゆる「おしゃべり」です。
引き続き聞き役になる私ですが、年齢が上がってきた子どもたちがとても面白がって聞いてくれる話がありました。それは、主人や私の体験談。とりわけ失敗談は、とても面白がって耳を傾けてくれていました。
あるとき長女から「ママの失敗談で勇気がでた」と、落ち込んでいた気持ちから明るい気持ちになったと言われたことがあります。私の話は、自分が経験してきた勉強のこと、塾のこと、テストで悪い点数をとって両親に叱られたこと。
また、珍道中の旅行や社会人になってからの大失敗事件簿など、武勇伝ではなくむしろ失敗談がほとんどです。そのような話を聞くと子どもは気持ちが楽になるようで、面白がってますますおしゃべりになっていきます。このコミュニケーションこそが、自分の考えを整理して相手に伝えるといった、今の入試で問われていることなのではないかと考えます。
子どもの年齢によって会話の仕方は変化していきましたが、変わらなかったのは、どんなに忙しくても子どもの目を見て話す時間を少しでも作ることでした。話を聞いてくれるって、大人でも嬉しいですよね。その嬉しさが自己肯定感を高める1つの要素なのかもしれません。
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