東急大井町線、JR京浜東北線、東京臨海高速鉄道りんかい線の3路線が乗り入れる大井町駅から徒歩7分。駅前の喧騒から一転、公園が点在するのんびりとした街並に佇む青稜中学校・高等学校は、1995年の男女共学化以降、大胆かつスピード感のある教育改革を進めています。
「社会に貢献できる人間の育成」を掲げる青稜中学校・高等学校の校長 青田 泰明先生にお話を伺いました。
先生自ら発案する「ゼミナール」で「学びたい」「もっと知りたい」を引き出す

(青稜中学校・高等学校)
世界は時代とともにめざましく変化していき、そのスピードはますます加速の一途をたどっています。この変化に対応すべく、常にアップデートを行う当校は、「Change(変化)」「Challenge(挑戦)」「Contribution(貢献)」の「3C」を掲げ、さまざまなことに挑戦し、社会を変えていける人材の育成に取り組んでいます。
中学では「おもしろさや楽しさとの出会い」をテーマに個性豊かな先生たちが工夫をこらした授業を行なっていますが、中学2年、中学3年を対象とした特別授業「ゼミナール」もそのひとつです。
毎年13〜14講座を開講し、生徒一人一人の好奇心や学ぶ意欲を引き出しています。プログラミング、気象予報の講座、私が担当するSDGsのゼミなど、その内容は多岐にわたっています。
「ゼミナール」は、先生の趣味や興味から発案されている点がポイントで、生徒たちの「学びたい」「もっと知りたい」「やってみたい」という思いが自然と湧き上がってくるように、先生たち自身も日々創意工夫し、生徒たちの未来の可能性を広げる挑戦を行っています。

SDGsを切り口に未来をよくする企業の取り組みを学習する青田校長のゼミ「2030~未来への挑戦~」。2030年の理想の社会実現に向けてできることを考えます。(青稜中学校・高等学校)

(青稜中学校・高等学校)
毎日の生活に溶け込む青稜のSDGs
「ゼミナール」からはじまったSDGsは、青稜の日常に溶け込んでいます。実際に、産学連携でゼミに協力してくれた企業の自動販売機が校内のあちらこちらにあり、風景として目に入ってきます。
企業ごとに目的は異なりますが、そこには必ずSDGsの目標があります。例えば、江崎グリコ株式会社の「セブンティーンアイス」では、アイスを食べた後に出るプラスチックのゴミが課題となりました。
生徒会が、このプラスチックのアイススティックを回収するボックスを設置し、エコ箸やエコカップなどにリサイクルして卒業記念品として生徒に贈呈しています。生徒の日常の楽しみが自然にSDGsに繋がっていく、青稜らしい取り組みの一つです。
「先生、〇〇って日焼け止め塗ってるんですよ」。悪気なく友だちを冷やかす男子生徒たちの言葉に、現代っ子である高校生にも根強いジェンダーバイアス(男女の役割に関する固定概念)があることを知りました。
学校でスキンケア用品を販売して、男子生徒にも堂々とスキンケアをしてもらうことにより、現状を少しずつでも変えていこうと、花王さんのご協力のもと、「ビオレ」や「ニベア」の自販機を導入。
「そもそも女性らしさ・男性らしさとは何なのか?」「未来のジェンダー意識はどうあるべきか」を考えるきっかけを作ることにしました。

(青稜中学校・高等学校)

回収したプラスチックのアイススティックはエコカップなどにリサイクルして卒業生に贈られます。(青稜中学校・高等学校)
気付きの仕掛けから見つけてほしい
「ヴンダーカンマー(驚異の部屋)とは、現在の博物館の原型で、さまざまな珍品を集めた部屋のことを指しますが、青稜はヴンダーカンマーのように通常の枠にとらわれないさまざまな学びを取り入れています。
授業や講演会などだけでなく、学内での日常生活そのものが成長の機会となるよう、様々な「気付きの仕掛け」を用意しています。
企業コラボの自動販売機もそうですが、それとなくさまざまなものを散りばめておいて、生徒がたまたま手に取る、目に入る、刺激を受ける、考えはじめる、そんな環境が大切だと考えています。
そこから何を感じ取り、何を選び取るのかは生徒次第。自ら考えて行動していける人になってほしいですね。
そして、何かを選び取っても、もし失敗したら次にやりたいことをやってみればいい。たくさん挑戦して、どれか一つでも心に響くものに出会ってほしいと願っています。
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