礼拝や集会などに使われる、広く荘厳な「谷口ホール」には、本格的なパイプオルガンがあり、毎朝の礼拝ではプロのオルガニストが演奏。生徒たちはそこで心を落ち着かせて1日をスタートします。今回は、そんな玉川聖学院中等部・高等部で、学校が大切にしていることや取り組みなど、ビタミンママが中高等部長にお話を伺いました。
変わらぬ価値観を根底におき
高い倫理性と世界をつなぐ心を育成
玉川聖学院中等部・高等部(以下、玉聖)の創立者である谷口茂寿牧師は、戦後、戦争への反省と悔恨を胸に、これからの日本には、キリストの愛に根ざし高いモラルをもった女性の力が必要だと考え、女性教育に力を注ぎました。以来玉聖では、「平和を守り、命を大切にする」という理念のもと、社会に貢献する女性・世界をつなぐ心の育成に尽力しています。
新技術や教育革新の積極的推進と
リテラシー教育
2020年、コロナ禍以前より先進的に進めていたICT利用をさらに推進し、中学生全員にChromebookを配布。全国の学校に先駆けて導入したGoogle Workspaceの本格活用を開始しました。学習ツールアプリ、プログラミング授業なども取り入れ、将来的なIT・クラウド環境への適応力を育てています。同時に、情報の取り扱いやデバイスの管理方法など、便利な機器のメリットとデメリットをきちんと理解して利用するよう徹底して指導しています。また、手で調べ、書くことも重要と考え、社会の調べ学習などでは、IT機器の活用と並行して、ノート記述や書いてまとめることも多く課題にしています。時代の変化に合わせ、積極的に教育内容の革新を進めつつ、生徒が安心して新しいことに挑戦できる環境を整えています。
人生の選択の幅を広げる
実践的な体験プログラムの充実
玉聖では、主体的な学びの推進と探究する喜びを体感できるよう、多くの実践的体験プログラムを用意しています。3週間のアメリカ研修やボランティアキャンプ、里山体験プログラムなど、そのラインナップは多彩です。老人ホームボランティアを経験し、介護ロボット開発の道に進んだ生徒もいるなど、本気で参加し、失敗や感動を体験することで、人生の指針となるような気づきを得ています。「探究とは一生求め、探し続けることです。玉聖に通う6年間で、自分の可能性に気づき、人生で追い求めるべき使命を見つけられるよう教育を続けていきます(中高等部長・櫛田真実先生)」。
ビタミンママ編集部の注目ポイント
蔵書48,000冊を誇る情報センターは
たくさんの物語や知識に出会える「知の宝庫」
ホームルーム棟1階にある情報センターは、明るく開放的で、平日はいつでも利用可能です。2名の司書の先生が常駐し、調べ学習や修了論文作成などに対応した資料を集めて陳列するなど、生徒の求める情報がわかりやすく提示されています。
インターネットで簡単に情報が手に入る時代でも、文献や原典に当たることは大切と、本の分類項目や索引の意味など図書館の有効的な活用法もレクチャーします。あらゆる分野の書物を広く蔵書し、生徒の興味・関心を広げる知識との出会いの場です。
掲載されている、 ビタミンママ本Vol.94「いま、中学受験が増えている理由」好評発売中!
※画像をクリック(タップ)すると詳細ページに飛びます