電子黒板や1人1台のタブレットなど、ICTを積極的に導入。家庭でもオンデマンドで授業が受けられるなど、生徒の「学びたい」意欲を全面的にバックアップしている立正大学付属立正中学校・高等学校。今回は、学校が大切にしていることや取り組みなど、ビタミンママが校長先生にお話を伺いました。
基礎学習と探究学習で育てる
確かな学力と豊かな人間性
日蓮聖人の精神、「行学の二道」に基づき、知識や経験(学)を行動で示すこと(行)ができる生徒を育てることを建学の精神に掲げる立正大学付属立正中学校・高等学校(以下、立正大付属中高)。中学では基礎力の定着に重きを置き、理解を深め、それが自信となり、生徒の向上心へとつなげます。
「AI時代の到来により、高いコミュニケーション能力と豊かな人間性が求められます。本校でも10年前から導入している探究型学習やRプログラムを通して、調べる、読み取る、表現するだけでなく、他人の意見に耳を傾け理解するなど、課題解決力とコミュニケーションスキルを身につけるカリキュラムを実施しています。学習面と人間性の両立で、新たな時代を担う人材を育成します(校長・大場一人先生)」。
コロナ禍でも学びを止めない思いで
一気に進んだ学びのICT化
「新型コロナウイルスのまん延で、さまざまな制限が生まれ、生徒はつらい思いをしましたが、悪いことばかりではありません。学びを止めないという思いで、緊急事態宣言下の休校時もリモートでの授業を行いました。また、これを機にICTの導入を急速に進め、学校はもちろん、家庭でも学べる環境を整えています」。
全教室にプロジェクターつきの電子黒板を設置し、校内のWi-Fi環境を整え、2021年度からはタブレット機器も導入。教科書や資料をスクリーンに映し出せるようになったことで板書の時間を短縮できる一方で、解説する時間を多く取れたり、総合学習では全員の意見をタブレット上で共有できたりなど、ICTの進化は授業により集中できると生徒から好評です。
さらに、英語と数学の授業を映像化し、オンデマンドで配信。いつでも視聴でき、復習や予習、分からなかったところの振り返りにもつながります。
「基礎学力を定着させることを大切にしながら、その先に進みたいという生徒の意欲も尊重します。そのためには授業だけでなく、大学入試問題の解説などもオンデマンドで視聴できるようにしました。生徒一人一人を大切に、得意を伸ばし、苦手を克服する教育を続けていきます」
ビタミンママ編集部の注目ポイント
生徒の未来につながる課外授業が盛りだくさん
探究、職業講話、職場体験で社会を知る
立正大付属中高では、キャリア教育も積極的に行っています。職業講話は社会で活躍する卒業生の話を聞く機会です。公務員や、メーカーや商社などに勤める卒業生の先輩が、それぞれの職業がどんなものなのか、社会で求められるスキル、中高時代にやっておくべきことなどをアドバイスします。職場体験は中2~3が30前後の選択肢から、自分の興味がある職を体験します。
また、探究学習でも将来の職につながるテーマを選択する生徒も少なくありません。例えば「どんなポスターが最も人の目に入るのか」をテーマにした生徒はタブレットを使って調査し、自分の中で「こうすれば目立つのでは」という仮説を立て、広告代理店に取材。自分の考えと、実際に社会ではどのように考えて作られているのかを比較するなど、その探究心に圧倒された、と大場校長。「職業講話は卒業生や保護者が協力を快諾してくれることに感謝しています。教員、卒業生、保護者など、たくさんの『立正ファミリー』が、生徒の未来を応援しています」。
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