【改革を行った気になる中高一貫校】新渡戸文化中学校・高等学校

新渡戸文化中学校・高等学校:東京都中野区

927年に女子文化高等学院として創立。1928年には新渡戸稲造博士を初代校長に迎え、現在はこども園から短大までがワンキャンパスに集う新渡戸文化中学校・高等学校。
小倉良之先生を校長に迎えた2020年から、“「しあわせ」になろう。「しあわせ」にしよう。” をキャッチフレーズにさまざまな教育改革を行っている、注目の私立中高一貫校です。
東京都中野区 新渡戸文化中学校・高等学校 校長先生にお話しをお伺いいたしました。

文科省も認める「3C カリキュラム」で高める Well-Being

改革記
2014.04
2017.04
2019.04
2020.04
中学校共学化
高等学校共学化
校内リノベーション
iPad を導入
3Cカリキュラムスタート

「学ぶ」意欲を掻き立てる充実の校内施設

大学の専門書もあるライブラリーラウンジ。

レーザーカッターや 3D プリンターが揃うVIVI STOP。生徒の創造力を後押しします

2019 年から、歴史ある校舎はそのままに、校内施設を一新。緑に覆われた温かみを感じる正門、大人数の授業が可能なハピネスホール、プレゼンや映像鑑賞などで使用される新渡戸シアターなど、学校生活をより豊かにする施設が完成しました。
ライブラリーラウンジ(図書館)には自習室も完備。ここでは校長先生によるライティングセンターが週2 回行われます。
「論文や企画書を書く際の相談に乗るところで、苦手意識の克服やスキルアップにつながるアドバイスをしています(小倉校長)」。

六角形の机は新渡戸文化中高のオリジナル。
探究型の授業が多いため、輪になって向き合い、話し合えることに重きを置いた形状です

 

独自の 3C カリキュラムで育てるHppiness Creator

軍艦のプラモデルが好きというところから、Cross Curriculum で探究し、戦争を風化させたくないという思いが湧き、シンポジウムを開催。周りの協力を得ながらひとつの授業を作り上げました

「3C カリキュラム」は Core Learning、Cross Curriculum、Challenge Based Learning から成り立ちます。学ぶ意欲や基礎を固めて(Core)、教科の壁を越えた探究学習に取り組み(Cross)、ここまでで得たさまざまなスキルをもって社会課題の解決に挑戦(Challenge)します。「毎週水曜日は丸一日、探究に充てています。
自由に動ける時間をたっぷり与えることで、生徒たちも本気で取り組みます(小倉校長)」。
2019 年からスタートした 3C カリキュラムですが、すでに成果は表れています。ある高校 1年の男子は軍艦のプラモデルが好きで、その中で最も気に入っていた巡洋艦「雪風」に乗務していた少年兵が今も生きていて、本を書いていることを知り、連絡をとったそう。そこから親睦を重ねていくなかで、戦争についてもっと考えるべきだと思い立ち、シンポジウムを開催しました。
好きな部分を突き詰めていけば、当然、その周囲にあることへの興味が湧き学びを深めます。彼はまさに、これを体現してくれました(小倉校長)」

早々に ICT を導入。オンライン授業は 2020 年 4 月から開始しました。
iPad は今や 3C カリキュラムに取り組む生徒にとって、なくてはならない存在です

選択式のスタディツアー。2022年度は福島、徳島、和歌山から自分の興味があるコースを選択します

学びの成果を表現アウトプット型のプレゼンがテスト

アウトプット型テストを定期考査に取り入れたことも大きな特長です。学んだことを自分の中で編集することで、より理解を深めます。例えば理科では実験を写真や動画に収めてひとつの動画を作って提出します。「これからの時代、最適解を作るのは記憶と再生ではなく、編集技術です。アウトプット型テストでその力を身につけます(小倉校長)」。

全員の前でプレゼンテーションし、それを聞いたクラスメイトは、Google フォームにフィードバックします。アウトプット型テストの手法は先生によって異なります

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お話を伺ったのは

新渡戸文化中学校・高等学校 校長 小倉良之先生