子供の学び好きを引き出す 問いの答えは解説書ではなく子供の中にある

▲ヒキダスプラス(横浜市都筑区)

――どのような子供時代を過ごされていたのですか?
大阪郊外ののんびりとした環境で育ちました。中学受験を意識したことはなかったですね。そもそも中学受験というものがあることすら知りませんでした。でも、まったく勉強をしなかったわけではないんですよ。学校の授業で恥をかくのは嫌でしたから、授業中はとても集中して先生の話を聞いていました。
小学生のころに、読書に没頭したのも学びの基礎を作るのに役立ちました。お気に入りは少年探偵が活躍する推理小説、そして歴史ものでした。展開を予想しながら読んだり情景を思い浮かべたりすることで、想像力や読解力が身に付いたように思います。知らない言葉に出会うと、なんとなくこんな意味かなと類推して、さっそく会話で使う機会をうかがう目立ちたがり屋な部分もありましたね。そのことで恥もたびたびかきました(笑)。

▲「算数パズル」コースの教材。ヒキダスプラス(横浜市都筑区)

どんなお子さんも、頭と心の引き出しに、生きてきた年齢の分だけ積み重ねてきた色とりどりの体験と学びを蓄えていると実感しています。これまで大勢のお子さんたちと一緒に学んできましたが、子供たちの「人生経験」を見くびってはいけないと気付かされました。各自の貴重な体験を引き出し、新しい学びと結びつける橋渡しをすること、それが私の役目だと感じています。指導に当たっては、勉強させるのではなく自ら学ぶ気持ちと力を引き出すこと、学力の伸びを指導者の手柄にしないこと、答えは指導者を含めた外部ではなく子供たちの内にあること、学問と教養のタネをまき、観察し、適切に支えることを大切にしています。私にも2人の息子がいるのですが、息子たちにもその教育方針は一貫しています。もともと、教えたがりで世話焼きタイプの私ですので、日々「教え惜しめ」「謎解きの手柄は子供のもの」と言い聞かせています。

最新情報をチェックしよう!