わたしの1本と出会う「中1・美術」-日本女子大学附属中学校・高等学校

▲自分だけの「1本」を写生中!/日本女子大学 附属中学校・高等学校(川崎市多摩区)

 

こんにちは!
ビタママスタッフの193です。

連日、私立中学校号の取材が続いています!

 

先日訪れたのは、緑豊かな多摩丘陵にあり「森の学校」の異名を持つ日本女子大学附属中学校・高等学校です。

個人的な理由なのですが、年頃の娘がいる私としてはとても気になる学校のひとつでもあります。

 

天候にも恵まれ、新緑の美しいことと言ったら!

そしてそんな緑豊かな学内でせっせと写生に勤しむのは中1生たち。

特徴のひとつでもある割烹着姿が初々しい彼女たちが取り組むのは、美術「わたしの木」です。

校内にあるたくさんの樹木のなかから「お気に入りの1本」を決めて写生し、それを元に1枚の絵に仕上げるというというもの。

色付けの技法は自由だそうで、最近の流行(?)は、多色刷りなのだとか。昨年度の中1生(現中2生)の展示物を見ていると、1枚の版に色をたくさん重ねて緑の濃淡を表現していました。多い時は1000回ほども刷り取るそうです…!

なるほど、複雑かつ豊かな色彩の版画に仕上がっていて、思わず自宅のリビングに飾りたくなるような素敵なものばかり。

 

美術ご担当の先生曰く、その木は彼女たちが在校中はもちろん、卒業してから再び来校する際も、「ずっとそこにあって見守ってくれている」存在なのだとか。

「入学と同時に美術の授業を通して、生徒たちは1本の木と出会います。そこから時間割にして10時間分もの時間をかけて1枚の風景画に仕上げていくんです。その作業のなかで、その木は生徒たちにとって特別な存在になります」。

ことあるごとに、「まだあの木はあるかな」と生徒たちは木を訪れ、木もまた彼女たちとともに成長していきます。

▲思い思いに写生に取り組みます/日本女子大学 附属中学校・高等学校(川崎市多摩区)

 

全ての教科において、「本物に触れ、本質に迫る学び」がモットーの日本女子大学附属中学校・高等学校ならではの取り組みだなぁと感動しきり。

 

絵が出来上がったならば、〝日女名物「お豆腐」〟(ほぼ全教科でたくさんの文字を書く事で有名な同校では、感想を書く、問題を解く、はたまた試験の解答欄などどんな場合にも、紙に大きく真っ白なハコが書いてあることが多いのだそう。つまりその大きなハコの中を自分の気付きや意見で埋めるという作業を通して、自分で考える力がついていくのですが、その真っ白なハコを、愛を込めて(?)、「お豆腐」と呼ぶのだそうです。説明が長くなりました…、失礼!)に自分の作品や取り組んだ授業のことなどをまとめ、絵とともに廊下に掲示されます。

 

生徒からは、「1本の木を、こんなにじっくりと観察することはそれまで経験したことがなく、その授業を通して、モノの『成り立ち』に目を向ける術を知った…」との感想が。

 

多感な時期だからこその若々しい感性そのままで描き出す「わたしの1本」。

大人になっても、大切な10代を過ごした母校に自分が選んだ1本の木がずっと変わらずあるなんて、とても素敵だなぁと思うのでした。

 

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