今や世界的にスタンダードになりつつあるタブレット学習ですが、日本ではまだまだ導入が進んでいないという印象があります。技術先進国の日本がICT教育においてはどうしてここまで遅れをとっているのか不思議でしたが、コロナの影響もあり、ようやく娘の小学校でも10月からe-ラーニングが始まりました。
■世田谷区ではベネッセのe-ラーニング「ドリルパーク」を試験導入。
今年の春、コロナで学校も塾もお休みだった頃、一部の私立小学校では早々とネット授業がスタート。一方、公立ではネット環境が家庭ごとに違うという点が大きな壁となり、オンライン授業はいっこうに進まず。
我が家では買い込んだ問題集やさまざまな学習サイトを駆使してなんとか家庭での学習は進めていましたが、有益な学習サイトは有料だったり、会員登録など個人情報の提供が必要だったりと、なかなかこれと言った学習環境を整えられずにいました。
秋になり、ようやく世田谷区でもe-ラーニングが導入され、「知力の森」〜せたがや電子学習塾〜【ICT(e-ラーニング)を活用した学習支援】がはじまりました。
▲ベネッセの「ドリルパーク」。4教科のドリルを自分のペースで進められる
娘の学校でも一人一台のタブレットを使用した授業を週1回程度実施。
ベネッセが運営しているミライシードの「ドリルパーク」を利用して、小学校3年生では国、算、社、理、4教科のドリルを家庭でも取り組めるようになりました。もちろん無料。
タブレット学習に憧れていた子どもたちにとっては、ポイントがたまる仕組みなどもモチベーションアップになっていて、娘も楽しく学習しています。
▲お風呂に入った後に、パジャマでドリルパークに取り組むアコ
■「ICT教育」は学力向上につながるのか?中学受験には?
ICTとは「Information and Communication Technology」の頭文字をとったものでI T技術を使った取り組みのこと。そのICTを活用した学びや教育活動が「ICT教育」です。そのメリットは学校側からの視点で考えると
- 効率よく進められる
- 映像や音などの情報も同時に伝えられる
- 板書をノートに書き直す手間やミスを防ぐ
- 登校できない状況でも学習環境を作りやすい
などさまざま。
受ける側としても、子どもたちが楽しく学習に取り組める、子どもの頃からタブレット操作の技術を身につけることができる、情報処理能力が上がるなど、良いことずくめのように感じます。その一方で、私自身が感じているデメリットもあります。
- 子どもはすぐに飽きる
- 書くことで記憶されるという能力の低下
- 先生の指導能力の向上が求められなくなる
など。
人が考え、行動することで生じる多様性への対応力が養われなくなることも人類的危機を招くのでは?などとスケールの大きな心配もしてしまいます。
また、中学受験において、タブレット学習がどれほどの成果を出せるのかは、甚だ疑問が残るところ。受験勉強は、やはり猛烈にペーパー問題を鉛筆で必死に解き、長文記述し、繰り返し書きながら頭に叩き込む。これ必須のような気がしてなりません。
もうそんなやり方は古いと言える時代が来るのでしょうか?e-ラーニングのようなタブレット学習だけで難関校に合格した!という人が続々出てくる日が来るのでしょうか?
▲ネットのドリルよりもスピード、分量で圧倒的に上をいく公文のプリント
少なくとも中学受験においては、まだまだICTの有効な活用方法が見出せない私ですが、子どもたちが生きる時代を考えると、教育の最重要課題としてICT環境の整備は必要不可欠であり、国家レベルでの導入が急がれるべき課題であると強く感じています。
本当の「生きる力」とはなんなのか。子育ての中でその答えを模索する日々です。
中学受験ママライター トコトコ
高校3年生ワコと小学3年生アコ、2人の娘を育てる母。長女は小学校受験で大学までエスカレーター式の学校へ。一方、次女は公立小学校生活をのびのび満喫中ですが、3年後に控えた中学校受験に向けて始動すべく4月から大手S塾へ。まだまだ試行錯誤ではありますが、受験準備生活を親子で楽しみながら日々過ごしています。