早いもので2020年も残りあと数日となり、2021年度中学受験生にとってはもうすぐ最後の冬期講習になりますね。いよいよ始まる1月受験の出願ももうお済みのことでしょう。
そこで中学受験生や親なら気になる、「1月受験って本当に必要なの?」という疑問について、ワタクシ「はな」の息子たちにいろいろ話を聞きました。子ども目線で気づいたことや当時の心境、終わった今だから暴露できる話もあります(笑)ので、是非ご参考になさってください。
■回答生徒紹介
兄ナツオ:埼玉県にある受験者が数千人にもなるSH中学校を受験。日程が東大選抜を含めて当時4回あり、合格と不合格を経験させたくて2日出願。しかし実際は1度の受験と合格のみで2回目の受験は回避した。
弟フユト:兄と同じSH中学校と千葉御三家であるTT中学校で、合格を目指して受験するも2校とも不合格。SH中学校の得点開示で2点、TT自己採点で1問の不合格に厳しい現実を知ることとなった。
■1月受験では僕たちこう考えていました
はな 来月にはいよいよ1月受験が始まるけれど、2人とも実際に埼玉県や千葉県まで受験しに行ってどうだったか教えてくれる?
ナツオ 朝がすごく早くて寒かったのと、人が多かったのを覚えているよ。支度に時間がかかって予定時間ギリギリの出発になって、電車に乗ってる途中でお腹が痛くなったりもしたなあ。
フユト 僕はグリーン車で埼玉まで行ったから楽だったけど、グリーン車でも途中まで満席で座れなかったし、座って勉強しだしたら途中で気持ち悪くなって最悪だった。
はな ナツオの時の経験からフユトはグリーン車に乗ったのよね。でも同じ考えの受験生が意外と多くて。座席も子ども達が1人でも多く座れるように、親たちの暗黙の譲り合いで大人はずっと立っていたのよ(汗)。都内を過ぎたらみんな座れたけれど…。
フユト 寒くて手がかじかまないように、コートのポケットにホッカイロを入れておいたのは正解だったなあ。あと、教室が暖かくて眠くなるって塾で聞いていたけど、学校全体の暖房が効いてなくて寒すぎたり、反対に暖房の風が直撃して暑すぎたりした時もあって運が悪かったんだよ。
はな ヒートテックの下着は着ない方がいいと塾で聞いていたから着ていなかったけど、学校や教室の座席によっても温度差があったのね(汗)。2021年度は新型コロナウイルスの影響で窓は開いて寒そうだけれど…。受験の準備でホッカイロ以外にあった方がいい物ってあった?
ナツオ お腹が空くからお菓子。飴とかチョコとかすぐに食べられるものが必要だと思う。
はな フユトはそれを知っていたから、ママ友に教えてもらった糖が体に吸収されやすいラムネやチョコも2~3種類していたわよね。
フユト うん。あとさ、1月受験で一番緊張したのは、学校の前に塾の先生がズラッと並んで一斉に握手をしていく様子を見た時かも。小5の2月に受験校まで先輩の様子を見に行ったけど、実際自分の番になると全然違うんだよ。でも知っている先生やスタッフさんがいてくれたのがすごく安心した。
ナツオ 僕はあまり1月受験では緊張しなかったし、終わってお腹空いてすぐご飯食べたいって思った。
はな 試験は4教科で、終わったのが12時頃でも受験者が多くて解散に時間がかかり、ナツオと落ち合えたのはSH中学校では30分後くらいだったかしら。
フユトが受験したTT中学校では、落ち合えるまで30分かかり、その後駅まで行くバスのバス停までも、学校から受験生と保護者の大渋滞。牛歩の歩みで30分以上かかって大変だったのよね(汗)。6時頃に家を出たから朝ご飯は5時だったし、テストが終わってホッとしたのもあって、他の受験生もみんなお腹が空いていたかもね。
はな 中学校でのテスト中の様子など、何か思い出したことが他にもある?
フユト 他の塾の子がトイレで鬼ごっこをして退場になっていたよ。あと、隣の席の子が同じ塾の子で、バックにつける志望校のカードが「開成」だったのを見て「こいつ頭いいんだ」ってすごい焦った。
はな フユトらしい気づきと焦り方だったのね(苦笑)。ナツオはどうだった?
ナツオ 過去問が簡単で楽勝って思っていたら、本番で手ごたえがなくて「できなかった」「落ちた」と思ってけっこう落ち込んだ。
はな でも受かっちゃったのよね。予定では不合格で気を引き締めるはずが…(苦笑)。
ナツオ でもさ、思うんだけど1月受験でも僕たちからしたら「合格したほうがいい」って思うよ。調子にのるだろうけど、やっぱその勢いって必要なんだよね。
はな そうね…。フユトが2回も落ちて気持ちを浮上させるのが大変だったものね。理想なのは合格と不合格が1回ずつなんだろうけど、そううまくいかないのが現実よね。
フユト 僕は落ちてしばらくショックだったけど、両方とも1問とか2点とかだったから、ぶっちゃけ「もうちょっと頑張れば何とかなる」って思ってたんだよね。2回連続はさすがにきつかったけどさ。
はな 心の中でそんな風に思っていたのね(苦笑)。
■1月受験から2月本番へ向けて
はな 結局のところ、1月受験ってためになったのかな?2月の本番前に1度受験しておけばいいけれど、気を引き締めるために男子は実力相応校と合格するのが難しい中学校と、2度の受験を塾から勧められることも多いのよね。
フユト 2回は必要なかったと思う。受験する度に過去問やったり、長い移動時間もあったりして、結構疲れるし時間も取られるじゃん。その分自分の志望校の勉強をした方がいい。
ナツオ そうだね、1回あれば十分だと思うよ。
はな 1月受験を2回しておいた方が2月本番の緊張感が減るんじゃない?
ナツオ どちらにしても2月の本番初日だけは緊張すると思う。僕もそうだったし。
フユト 僕は3回目だったからあまり緊張しなかった。あと1月受験で受験者が多すぎてビックリして緊張しちゃったのもあったから、2月の本番は人が少なくてチョロいと思えたんだよね。
はな フユトは緊張しやすいから、結果は悪かったけれど1月で数をこなしたのが良かったんだと思うわ。ナツオは前夜も眠れなくて2月の初日は散々だったのよね。ところで、1月受験は合格する子は多かったの?
ナツオ 1月受験はクラスのほとんどが合格したんだけど、1列目のやつが落ちたりしたのがすごく驚いた。「不合格ってあるんだ」ってそれで実感したし。
フユト 僕は塾のクラスメイトも結構落ちていたから慰め合ったり、励ましたりしたよ。落ちるとスタッフさんに呼ばれて振り返りをするからすぐわかるし(苦笑)。
ナツオ 僕の時は教室に1月受験した全員集められて振り返りをやったよ。
はな 塾で必要なフォローをしてもらっていたのね。ママも先生とフユトが落ちた時にお話しさせていただいてね。「中学受験は1点、1問の合格ラインギリギリのところにみんな集まっているから、どうしたらすれすれでも抜けられるかを考える必要があります」って言われたの。
確かにフユトが2回も1問で落ちたから、その経験を2月本番には活かして合格してほしいと思ったのよね。1月受験を受ける時は本番の緊張に慣れることと、1点でも多く正解を出すにはどうしたらいいのかを先に考える必要があったんだって、もし3人目の子どもがいたらアドバイスしていると思うわ(笑)。
中学受験を終えたはな家のぶっちゃけトークでした。(子ども達のそのままの言葉のため稚拙な表現がありますことご容赦ください。)2021年度中学受験生の参考に少しでもなれたら幸いです。
ライターはな
高2の長男ナツオと中1の次男フユトの二児の母。ナツオは偏差値30台からスタートし、二人三脚で頑張った甲斐あって、偏差値60越えの志望校に合格。次男フユトも、兄に追いつき追い越せで頑張り、無事合格をいただきました。個性が真逆の兄弟による2度の受験を伴走したママライターです。