▲大妻多摩を象徴する、正門から校舎へと続くけやきの並木道。生徒たちはここで部活の練習をしたり、休み時間におしゃべりしたり。大妻多摩中学高等学校
体験から学びを深める
サイエンスとグローバル
Tsumatama SGL」は、2019年度から始まった大妻多摩の教育改革です。SGLはScience、Global、Liberal Artsの頭文字で、自分の力でたくましく生きる力と未来を創造する力を育みます。
Scienceは、自然に囲まれた大妻多摩の恵まれた環境も最大限に生かします。通学路に咲くツツジを顕微鏡で観察したり、里山で採取した動物のフンから生態を分析したり。こうした授業の最後には、大学の先生や研究者たちの取り組みも紹介し、その地道な努力が社会の問題提起と解決に役立っていることにも気付いていきます。また、数学も机上の学習にとどまらず、三角法を応用して校舎の高さを概算するほか、与えられた問題を解くだけではなく、自身でユニークな作問をするなど、考え、体験することで、理数系の奥深さと面白さを実感していきます。
▲理科はたくさんの実験を取り入れ、生徒の興味を引き出します。大妻多摩中学高等学校
Globalはネイティブの先生による英語の授業に加えて、エンパワーメントプログラムやターム留学、海外研修をはじめとする国際教育です。オーストラリア研修はこれまで希望制でしたが、2021年度から中2全員参加に変更しました。「自分の活躍の場は日本だけではない」ことを実感してもらうためです。残念ながら2021年度はコロナ禍で延期となりましたが、オンラインで姉妹校の生徒と交流したり、フィリピンの方と英会話をしたりというグローバル教育を積極的に行っています。
▲高3の英語の授業。新聞の社説を英語で読み、ディベートします。大妻多摩中学高等学校
21世紀型スキルを高め
社会で活躍する人材を育成
▲木のぬくもりが感じられるアカデメイア棟。大妻多摩中学高等学校
本校の生徒はみんなまじめで、よく勉強します。学力とともに社会で求められる人材になるために、中高の6年間で21世紀型スキルを身につけてほしいとの願いから行っているのが、Liberal Arts(教養教育)です。この土台があってこそ、Scienceと Globalで学んだ知識が生きてくるのです。さまざまな取り組みのなか、「人間関係スキル」を伸ばすことで、コミュニケーション力を育てることにも注力します。例えば、人に何かを頼むとき、断るときの接し方や話し方、さらに人との距離の取り方などを、ケーススタディを交えながら考え、習得します。
▲アカデメイア棟は、図書館のほか、広々とした自習スペースもある生徒に人気の場所です。大妻多摩中学高等学校
並行して進路にも目を向けます。高1の探究では自分の興味を知り、自らのテーマを深く研究します。社会秩序の存在意義や日本の法と自由を研究した生徒が法学部に進んだり、土壌を変える微生物をテーマにした生徒が教育学部で生物を勉強したりと、自分の得意や武器を考え、進路につなげていきます。
大妻多摩の6年間は、すべてが教養教育の機会。生徒の「やってみたい」を実現する環境がそろっています。
お話を伺ったのは
校長 熊谷 昌子先生