次世代の育成として、国際バカロレア(IB)教育を導入する学校が増えてきました。
IB教育とはいったいどんなものなのでしょうか?
実際に導入している町田こばと幼稚園を取材しました。
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子ども、保護者、教育者
共通言語としてのIB
2019年、東京の一条校の幼稚園では初のIB認定校に認定された町田こばと幼稚園。自分で立つ「自立心」と、自分を律する「自律心」、その両方を重視する園の教育理念が、IBのエージェンシーと非常に親和性が高かったと、園長代理の神藏かおる先生はふり返ります。
IBを導入するにあたっては、今までやってきた行事や日々の活動をIBを通して再構築する作業を行ってきたといいます。「大変な作業ではありましたが、教員同士で今までやってきたことの活動の意味を見直し、子どもにどういう働きかけをするかをあらためて学び直せたのは大きな意味があったと思います」と、かおる先生。「先生方がIBという共通言語をもち、目的を明確に共有できる。子どもたちも、常に何を求められているかを意識して動くようになったと感じます」。
また、園では月に一度、10の学習者像のうち1つをピックアップして、お誕生会で紹介する取り組みも行っています。お誕生月の子どもの保護者も集まるので、学習者像をよく表した絵本や寸劇などでわかりやすく提供しているそうです。「明文化することが非常に難しいことが悩みの種でしたが、今は保護者や地域の方などに私たちの目的や考え方をお伝えする手段としてもIBが役に立っていると感じています」(かおる先生)。
教育者側にも求められる
常に探究し続ける姿勢
IB教育の低年齢対象のPYPでは、各学年、年間に4つの学びのユニットを設け、最初に重要とされる学習者像、概念、スキルを設定します。次に、探究の流れを大まかに決め、6週間ほどかけてセントラルアイデアに気づいてほしいという学びのまとまりを作ります。これをIB認定校で共有できるところも魅力だと理事長の神藏 宗先生は言います。「目的と取り組みが共通言語化されているので、どこでどんな学習を行っているかもわかり、参考にすることもできる。
それはつまり、自分たちと違う視点も大切にし、多くの人と関わって新しいポリシーを作ることが求められているということです」(宗先生)。探究学習に取り組む子どもたちだけでなく、指導する側もまた、常に振り返りを行いながら次の課題を考え、新しいやり方を探究し続けます。
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