最新情報も取り入れた丁寧な診療で地域の期待に応える

えだ皮膚科クリニック(横浜市青葉区)

最新情報も取り入れた丁寧な診療で地域の期待に応える

自身も小さい頃はアトピー性皮膚炎だったという、えだ皮膚科クリニックの上西香子先生。2008年にこの地に開業してから、優しい笑顔と穏やかな口調、丁寧な説明と親身な診療で信頼を得てきました。地域のホームドクターとして欠かせない存在となった同院について、上西先生にお話を伺いました。

コミュニケーション重視で患者さんの負担を軽減

――どのような患者さんが多いのでしょうか?

この周辺は、新築マンションもあれば、昔ながらの住宅街もあります。そのため、赤ちゃんから90代の高齢者まで、幅広い年齢層の方がいらっしゃいます。患者さんの症状も、アトピー性皮膚炎から、湿疹、かぶれ、じんましん、ニキビ、水虫、とびひ、イボ、水イボ、巻き爪など、実にさまざまです。季節によってはとびひが流行したり、水疱瘡の子供さんが立て続けに来院されたりといったこともあります。

皮膚のトラブルは、生活習慣や環境に左右されることも多いので、患者さんの普段の生活なども詳しく伺った上で治療を行うようにしています。とはいえ当院のような開業医は、待ち時間が少ないというのもメリットのひとつなので、患者さんおひとりにかけられる時間は限られています。その短い診療時間の中で、どれだけ患者さんと深くコミュニケーションできるかがポイントではないでしょうか。

 

――診察で心がけていることを教えてください。

専門的な言葉はなるべく避けて、患者さんに分かりやすく説明することです。これはお子さんであっても変わりません。細菌を「ばい菌」に言い換えるなどして、病気についてきちんと理解してもらえるよう努めています。痛みを伴う治療の場合も、「痛くないよ」とごまかしたりせずに、「痛いけれど頑張ろうね」と励ますようにしています。また治療方針についても、私が独善的に決めることはありません。

例えばアトピー性皮膚炎ならステロイドを使うか、ほかの治療法にするか、それぞれのメリット・デメリットをきちんと説明して、患者さんに選んでいただいています。患者さんご自身が納得して治療に臨むことが、最終的に良い結果に結びつくのではないでしょうか。

医療の世界は日進月歩なので、明日には新しい治療法が生まれるかもしれません。そういった有効な情報を地域のみなさんに提供できるよう、学会などにも定期的に参加しています。

――ご専門のアトピー性皮膚炎では、どんな治療をなさっているのでしょうか。

たしかに専門的な研究を続けてきましたが、現状ではステロイド剤がベストな治療法だと思っています。
痒みや痛みを我慢するより、ステロイド剤で炎症を抑えたほうが治りも速くなります。以前は「ステロイド剤は怖いから、絶対に使いたくない」とおっしゃる患者さんも多かったのですが、薬剤についての正確な情報が少しずつ広まり、抵抗なく受け入れていただけることも多くなりました。それでも不安を抱いている方には、短期間の使用なら副作用の心配もほぼないと説明しています。

じつは皮膚の保湿がきちんとできていると、炎症が悪化しづらいというデータがあるんです。そういったアドバイスも含めて、深くコミュニケーションをとることで、患者さんにとっての負担を最小限に抑えられるようにしたいと思っています。

患者さんのありとあらゆる肌のお悩みに応えたい

――2008年に開業してから、当時と比べてなにか変化はありましたか。

高齢であっても足腰のしっかりした方が多くなったせいか、巻き爪のお悩みで来院される患者さんが増えてきました。
健康保険外の自由診療になってしまうのですが、当院では痛みの少ない超弾性ワイヤーによる巻き爪治療を行っています。口コミ効果なのか、患者さんの中には最初からそれを希望される方もいらっしゃるくらいです。

また当院では、尋常性白斑をはじめ乾癬・アトピー性皮膚炎・掌蹠膿疱症などの治療に使われる、ターゲット型の紫外線治療器「VTRAC」を導入しています。尋常性白斑は「白なまず」とも呼ばれ、皮膚の一部の色が白く抜け落ちてしまう病気です。見た目がよくないだけで、健康上の問題が起こるわけでも、感染するわけでもありませんが、患者さんにとっては大きなストレスでしょう。尋常性白斑だけでなく、しみやニキビといった美容上のお悩みを訴える方も増えてきています。

もちろん一般皮膚科の診療をしっかりと行った上でのことですが、将来的にはそういった美容に関する保険外治療にもお応えできるようになりたいと考えています。

尋常性白斑をはじめ乾癬・アトピー性皮膚炎・掌蹠膿疱症などの治療に使われる、ターゲット型の紫外線治療器「VTRAC」
尋常性白斑・乾癬・アトピー性皮膚炎・掌蹠膿疱症などの治療に使われる紫外線治療器「VTRAC」

 

――肌の健康を守るためのアドバイスをいただけますか?

まずは紫外線に気をつけることです。紫外線に当たると皮膚の老化が速くなるので、将来的にしみやしわが増えてしまいます。また皮膚がんのリスクも高くなるので、紫外線の強くなる夏期には、日焼け止めなどを使って紫外線を浴びすぎないようにすることが大切です。

もうひとつは、アトピー治療のお話でも少し触れましたが、保湿をしっかりとすることです。顔を洗った直後と30分後の皮膚を比べると、30分後のほうが肌が乾燥しているというデータがあります。お風呂から上がって汗が引いたら、乾燥してしまう前にローションなどで保湿をしましょう。
お風呂では肌をこすり過ぎないことも大切です。乾燥などで皮膚が荒れている場合、その部分を強くこすって皮膚のカサカサを落としたいと思う方は少なくありません。でも、こすりすぎると刺激によって、余計に皮膚が荒れたり痒くなったりします。

また30~40代の女性の場合、顔を強くこすりすぎると肝斑が現れることがあります。肝斑は、頬骨に沿って現れる左右対称のシミで、はっきりした原因はまだ分かっていません。顔を洗うとき、頬骨の部分は手のひらが当たりやすいので、その刺激でメラニン色素を生み出す細胞が活性化されて起こるという説があるんです。

石鹸をよく泡立てて優しく洗い、最後は石鹸の成分をしっかり洗い流すことを心がけましょう。それでも肌のトラブルがあったら、いつでもお気軽にご来院ください。みなさんがストレスなく日常生活を送るお手伝いができたら嬉しいですね。

えだ皮膚科クリニック院長 上西 香子先生

筑波大学卒業後、聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室入局。聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院、川崎市立多摩病院を経て2008年えだ皮膚科クリニック開院。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。医学博士。

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