昨今のウェブやテレビの報道などを受けて、相談に来る方が増えたと言う発達障害。
特に40代以降の大人が多く、気になる方は早めに来てほしい、と警鐘を鳴らします。もりの緑メンタルクリニックの加藤邦夫先生にお話を伺いました。
ミスが続く、忘れ物が多い
それ、発達障害かも……!?
最近、初診で来院する患者さんの6〜7割が発達障害に関するご相談です。ご家族から指摘されて来る方や、ご自身で不安になって訪れる方など、さまざま。
家族とうまくコミュニケーションが取れない、疲れてくると仕事でミスを頻発する、忘れ物が多い、など。こうしたお悩みを抱える方には、必要があれば検査を行い、問題点を見出します。そして、その問題に対して有効な治療法を提案し、改善につなげていきます。
たとえば仕事上でミスが続くという方には、注意力を高めるような生活の改善方法の提案(行動療法)と、必要があれば薬物療法を行います。
飲み続けることで問題の生じないレベルまで、ミスの頻度を下げることができます。そしてこの効果は薬を飲むことをやめても維持されるのです。しかし本人は服用をやめることで、また元に戻るのではないかと不安になることもあり、やめどきが難しいという一面もあります。
自分は大丈夫と思わず
早めに受診することが大事
年齢で言うと社会人になって2、3年の20代の方や、40代以降の会社で役職がつき責任も増えてくる年代の方が多い印象です。
ここまで社会生活ができてきたんだからと、まわりから指摘を受けても「まさか自分が」と思ってしまうのも無理はありません。ですが、早めの治療が大切です。
生活や仕事でのトラブルが増えると、パニック障害やうつ病になり、重症化すると治療が困難になることがあります。また考えすぎてうつも併発すると、治療は余計に難しくなります。不安な方はまず、心療内科に相談してください。