【教えてドクター】Q.50代になってから疲れやすくなったと感じています。

A.「更年期障害?」は肝機能の低下にも要注意

50歳前後というと、閉経が重なる時期です。疲れの原因として多くの方が思い浮かべるのは、更年期障害ではないでしょうか。「更年期障害だったら放っておけばそのうち治まる」と思っている方が多いのですが、肝臓の専門医としては、「ちょっと待って!」と言いたいです。

エストロゲンには脂質の代謝を助ける働きがあるため、閉経前後でホルモンバランスが崩れると、この機能が衰えて中性脂肪やコレステロールの値が上昇。脂肪肝から肝機能が低下し、動脈硬化が進むリスクが高まるので注意が必要です。

動脈硬化の進行は食生活の改善や薬で予防

動脈硬化とは、血管が硬くてもろくなる状態のことです。加齢とともに少しずつ進行し、喫煙、悪玉(LDL)コレステロールの増加、高血圧、糖尿病なども進行の原因となります。体の重要な血管で動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳卒中などの重い病気につながりかねません。

動脈硬化の進行を遅らせるには、血管年齢を若く保つことが大切です。血液検査の結果、高脂血症や脂肪肝の兆候が見受けられたら、血圧やコレステロールを下げる薬を適切に服用したうえでバランスの良い食事をとるように心がけていただきます。

内面のアンチエイジング、50代からの運動習慣が大切

「いつまでも若々しくいたい」と思うのは当然のことです。ただ、アンチエイジングというのは見た目だけではなく、血管年齢を若く保つという体の内面のアンチエイジングも大切です。

できれば、日ごろから運動する習慣をつけること。そうして筋力が維持できれば、脂肪を燃やすことになるので、結果として、高脂血症などにはプラスに作用し、動脈硬化の予防にもつながります。

あとは、ストレスをためないこと、バランスの良い食生活と質の良い睡眠を心がけること。さらに、定期的な健康診断も忘れずに受けてください。

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お話を伺ったのは

林医院 院長・林毅先生

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