A.食べると痛む、音が鳴る…顎に違和感があれば受診の合図と心得て。
顎関節症は、口の開閉に関わる顎の関節が位置異常を起こすことで発症し、かむと顎が痛い、口を開けると音が鳴る、口を開けづらいといった症状を伴います。
早期に治療すれば数カ月で改善されますが、完治が難しく、セルフケアと定期的な検診が必要です。
放置すると、痛みや違和感のある側の歯を日常的にかばうようになり、痛みのなかった反対側にまで症状がおよぶほどまで悪化してしまう恐れがあります。思わぬ病気が隠れている場合もありますから、顎に違和感をおぼえたら、早めにクリニックを受診してください。
まずは根本原因の特定を。世代でも変わる顎関節症の治療
顎関節症の原因として、歯周病や歯並びの問題、日常的な食いしばりや歯ぎしりの癖が挙げられます。
顎関節症は、男女・世代に関係なく発症しますが、その原因は世代で分けられます。若年層は歯並びやかみ合わせ、親知らずの発生が原因であることが多いので、歯列矯正や親知らずの抜歯などを行います。
40代以上になると歯周病が原因となることが多く、口腔内を正常な状態に戻す治療からスタートします。世代を問わず多い、食いしばりや歯ぎしりにはセルフケアが効果的です。
しっかり継続を! セルフケアと定期検診が症状緩和と治療の要
治療にはセルフケアが重要です。当院では運動療法として、下顎を前に突き出して口を開閉させるオリジナル体操を行うよう指導しています。一日10回程度、入浴時に行います。
食いしばりには、「ポストイット(ふせん)療法」がおすすめです。まずは自分が食いしばる状況に関連した場所にふせんを貼ることで、食いしばりに気づきやすくし、顎を緩める習慣をつけるというものです。
食いしばりが改善してくると歯ぎしりも落ち着いてきます。症状が改善されてもセルフケアや通院を継続し、口腔内の健康を維持するよう心がけましょう。
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