傷あとを残さない、ケガの正しい応急処置と治療について

日々の生活の中で、うっかり擦り傷や切り傷を作ってしまうことは日常的にあるものです。そんなときは慌てずに応急処置を行い、傷の程度によっては、形成外科を受診すると安心です。
家庭での応急処置の仕方や受診時の処置について、横浜市都筑区にある松井クリニック院長 松井潔先生に伺いました。

ケガをした直後は?
受診するまではどう対応する?

擦り傷や切り傷が出来てしまった場合、傷が痛くてもしっかりと汚れを取り除くことが大切です。ケガをした直後は、慌てずに傷口を充分洗い、乾かさないようにガーゼを当てて形成外科を受診しましょう。切り傷が深い場合は、ゴールデンタイム※内であれば縫合を行ないます。

ゴールデンタイムとは?

傷ができてから縫合するまでの時間のことす。傷の程度や種類によって治療法は異なりますが、一般的に、顔以外の部位:受傷後6~8時間以内、顔面:24時間以内(血行が良いためその他の部位より長い)がゴールデンタイムになります。

形成外科専門医であれば、上記の時間以内なら縫合することが可能です。しかし、それ以上時間が経過している場合は、感染している可能性が高くなるため、縫合しないこともあります。

受診後のケアは?


傷に適した消毒液で消毒し、抗生剤含有軟膏などで傷を保護していきます。縫合した場合、抜糸後に傷口が広がらないように適切なテーピングも大切になります。
紫外線に当たるとシミのように残りやすくなるため、紫外線防止も合わせて、3カ月程度のアフターケアまで行えばよりきれいになります。

外傷性刺青って何?


泥やアスファルトの粉をきちんと落とさなかったため残ってしまった黒ずんだ傷あとのことです。怪我をした直後のケアによって経過は大きく変わります。

自己判断は禁物!

傷あとは、生涯コンプレックスを残すことにもつながります。正しい洗浄や消毒も含め、傷あとを残さないためにもケガをしたら、すみやかに応急処置をするとともに、すぐに形成外科を受診しましょう。

お話を伺ったのは

松井クリニック院長 松井潔先生

連日200名前後の診療をこなしつつ、自らのアンチエイジングにもストイックに取り組む「超熱血ドクターM」。確実に成果を出す松井先生は、今ではトレーニングジムの監修、アドバイスまで行っているそうです。