障害をもつ子どもの歯科治療にも積極的

お口まわりのあらゆる困りごとに対応

中川駅前歯科クリニック
中川駅前歯科クリニック・院長 二宮威重先生

2000年の開業当初は、虫歯や歯周病の治療を主としていましたが、診療を行っているうちに、患者さんがお口の中にさまざまな悩みを抱えていることを知りました。そこで休診日には学会や勉強会に出席したり、その分野で実績のある専門の先生をお招きしたりして、幅広い診療ができるよう努めています。

自閉症のお子さんの治療も積極的に対応

中川駅前歯科クリニック

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障害をもつお子さんの歯科治療を行っているのも、そのひとつです。この地域でいうと残念ながら、障害者歯科診療を行う高次歯科医療機関が残念ながら足りていないのが現状です。川崎市は4カ所、横浜市は1カ所しかありません。例えば自閉スペクトラム症を患っている方は症状が軽い人も含めると、日本国内で100人に1人の割合と言われています。つまり、ニーズはあるのにそこに対応しきれていない。そこで当院でも力になろうと、障害をもつお子さんの治療を始めました。

例えば自閉スペクトラム症の患者さんの場合、興味やこだわりが強く、繰り返し同じ行動をするという特性から、同じものを食べ続けるという傾向があります。もし甘いものを好むと過剰摂取から虫歯になる確率が高まるだけでなく、酸蝕症(歯が溶ける)や歯肉炎などの原因にもなりかねません。また、歯ぎしりをしたり、爪をかんだりすることで、歯並びに悪影響をおよぼす恐れも。

もちろん予防が効果的ではありますが、自閉スペクトラム症の特性上、感覚が過敏なことから、歯磨きを嫌がったり、治療時のドリル音を極度に嫌ったりすることも珍しくありません。重症のお子さんの場合、全身麻酔で治療することもあります。そうなる前に、まずは虫歯予防のための定期的な検診をおすすめしています。

常に気持ちに寄り添い、安心して通院できる環境を

中川駅前歯科クリニック

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とはいえ、診療台に座ることも簡単ではありません。かといって押さえつけての診療は、お子さんのトラウマになってしまいます。そこで当院では、まずこの環境に慣れてもらうところからはじめ、できたことは褒めてあげることで意欲的に治療に臨めるように促します。

具体的には絵カードを用いて治療の支援を行う、お気に入りのおもちゃがあると安心するのであれば持参していただく、保護者の方も一緒に診察室に入っていただくなどの工夫をしています。最初は何もできなくても心配いりません。もちろん個人差はありますが、通院を繰り返すうちに少しずつできることが増えていくことが多いです。

このほか、ダウン症や脳性麻痺などのお子さんの診察や、医療的ケアが必要で通院が困難なお子さんには訪問診療を行うなど、必要に応じて神奈川県立こども医療センター、横浜市歯科保健医療センターなどと連携をしながら健全な口腔育成を行っていますので、お気軽にご相談ください。

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お話を伺ったのは

中川駅前歯科クリニック・院長 二宮威重先生

東京歯科大学を卒業後、神奈川県内の歯科医院で勤務医を経て2000年より現職。

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