発語やコミュニケーションなど「言葉の悩み」をサポートする言語聴覚士さんのお仕事とは?

言語聴覚士とは?

言語聴覚士とは、「理学療法士」や「作業療法士」と同じくリハビリテーションを行う専門職のことです。専門の養成施設(専門学校・大学など)に通い、国家試験に合格することで資格を取得できます。リハビリテーションと聞くと歩行訓練など主に体を動かすことを想像されるかもしれませんが、言語聴覚士は言葉や聴覚に障害を抱える方が対象です。言語聴覚士の勤務先は病院等の医療機関が7割近くを占めており、小児領域である発達支援の事業所・福祉施設で従事している人はごくわずかです。
そのような発達支援を提供する現場で、言語聴覚士は主に「言葉の数が少ない」「会話が苦手」「発音がはっきりしない」などの言葉の悩みを抱えるお子さんを中心に、様々な手法で支援を提供しています。

言語聴覚士って何をするの?

言語聴覚士はお子さんの状態に合わせて様々な方法で、言葉を含めたコミュニケーション能力を育むサポートをしています。「言葉の悩み」と書きましたが、コミュニケーションそれ自体は発語の前から始まっています。
例えば赤ちゃんは、トイレやご飯の合図を泣くことによって大人に伝えたり、少しずつ大人と目を合わせるようになったり、指さしで見ているものを伝えるなどの方法でコミュニケーションを取ります。その流れの中で次第に喃語が出始め、言葉を話すようになっていきます。
そのような過程をふまえ、言語聴覚士はお子さんの状態に合わせて下記のような方法で、言葉を含めたコミュニケーション能力を育むサポートをしています。
○発音練習・・・ぺろぺろキャンディー、シャボン玉、ピロピロ笛、うがい、アップップ顔 など
これらは発音に必要なお口まわりの環境・土台を整えるための遊びや訓練です。発声・発音するためにも筋肉の動きが必要ですので、そういった動きを鍛えます。
○コミュニケーション練習・・・手で言葉を示すジェスチャー(ベビーサイン等)、絵カード
これらの方法は語彙数を増やすことや、「相手に伝わった」という嬉しい体験をたくさん引き出してあげることを目的としています。言葉を促す練習だけでなく「人と関わる楽しさ」を知ってもらうことも言語聴覚士の仕事です。
また、保護者様に対しても、ご家庭で出来る声かけの仕方や発語を促す方法についてお伝えしています。

「言葉の悩み」には個別相談をおすすめします。
お子さんの特性によっては人に対する興味関心が弱く、発語へのモチベーションが低い場合などもあります。発達支援の事業所では、お子さんそれぞれの特性やご家族のお悩み等を丁寧に伺い、適切な療育を提供していますので、何か気になる事があれば一度ご相談にお越しください。

お話を伺った施設


こどもサポート広場 minatos 綱島店

お子さんとご家族がより生きやすくなることを目標に、個人と環境双方へのアプローチを基本としてお子さんそれぞれに合った個別療育を提供しています。お子さんの“感覚の土台”を整え、能力・得意を伸ばすとともに、サポートツールを活用する、ルールを工夫する、など生活環境を整えるためのアドバイスもさせていただきます。

気になるこんそーしあむとは...

子どもの発達は発達は十人十色。多様性や個性を大切にし、それぞれの子どもに合った育て方、対処ができるよう、発達への理解を深め、子育ての不安を減らしていきましょう。 これまで発信した「発達」に関する記事の一覧 これまで発[…]

最新情報をチェックしよう!