都筑区中川にある中川駅前歯科クリニック。一般歯科はもちろん、小児歯科や矯正歯科、審美歯科、障害をもつ子どもの歯科治療など、幅広い診療に対応されている院長先生にお話を伺いました。
一般歯科はもちろん、小児歯科や矯正歯科、審美歯科など、幅広い診療に対応されています。
2000年に中川駅前に開院したのですが、新興住宅地で、ニューファミリーが増えつつあるタイミングでした。当時は診療台3台、スタッフは私を含む3人という小さな所帯でした。
最初は一般歯科、予防歯科など、他のクリニックと同じような診療科目だったのですが、患者さんのニーズに応えたいという思いから、一般歯科だけでなく、予防や審美などさまざまな治療を行うようになりました。それが当院の最大の特徴だと思います。
現在、診療台は15台、スタッフは40名ほどの大所帯になり、患者さんも地域の方だけでなく、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国にとどまらず、コロナ禍以前は中国から足を運んでくださった患者さんもいらっしゃいました。
夜9時まで、土曜日の午後の診療も地域の皆さんの支えになっています。
共働きのご家庭も多く、平日は忙しくてなかなか通院できないという方も少なくありません。そこで仕事が終わった後や土曜日に、お子さんを連れて通院するママ、パパのニーズにお応えしました。
当院には私を含めて16名の歯科医師が在籍しているほか、矯正、インプラント、ドライマウスなどの認定医もいて、口まわりの健康をサポートしています。
どんな患者さんが多いのでしょうか。
近年、親御さんの意識の高さやフッ素の普及などもあり、乳幼児の虫歯はここ20年で1/4にまで減っているんです。ですから、小児歯科では治療よりも予防の方がメインとなっています。
近年、多くの子どもがうまくかめなかったり、飲み込めなかったり、他にも発音や口呼吸など、口の機能に何らかの問題を抱えていることに注目されており、2018年に国が「口腔機能発達不全症」という病名をつけました。
子どものうちから口腔機能をしっかり育てておけば、将来、いつまでも自分の歯でしっかりかんで食べることができます。これは要介護や寝たきりにならないことにもつながると言われているので、当院でも非常に注力しているところです。
大人では歯周病やインプラントのほか、舌痛症や睡眠時無呼吸症候群の治療も行っています。特に睡眠時無呼吸症候群の相談で当院を訪れる患者さんは、年間で300人ほどいるのが実情です。
寝ている間にいびきをかくことで呼吸の回数が低下したり、止まったりすることで熟睡できず、起床時の頭痛や日中に眠くなる、などの症状が見られ、高血圧や不整脈など合併症を引き起こすこともあるので注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群はどんな治療を行うのでしょうか。
軽度や中等度の患者さんにはスリープスプリントという、下あごと舌を持ち上げるマウスピースを就寝時に装着することで気道を広げ、いびきや無呼吸の症状を改善します。中等度から重度の患者様にはCPAPという空気を鼻から気道に送り込むマスクを、こちらも就寝時に着用します。
このほか、扁桃が軌道を塞いでいる場合は外科手術を、虫歯や重症の異臭病があってマウスピースを装着できない場合は歯の治療を、さらに低位舌で治療効果が得られない恐れがある場合は舌の体操によって改善するなど、他のクリニックで断られた患者さんの受け入れもしています。
男性に多いと思われがちですが、女性も睡眠時無呼吸症候群に悩まされています。特に小顔の女性は顎が小さく、いびきをかきやすいんです。家族からいびきをかいていると言われたことがある方は放置せず、まずはご相談ください。
病気や障害をもっている子どもの治療にも対応しています。
障害をもつお子さんを診てくれる歯科保健医療センターが川崎市には4カ所あるけれど、横浜市には1カ所しかない。そんな状況なのでなかなか予約が取れずに困っている親御さんも少なくありません。そんなママ、パパの困りごとを解消したいという思いではじめました。
例えば自閉症のお子さんは簡単にいうとこだわりが非常に強く、自分が想定していないことをされたくないんですね。だからと言って押さえつけたりするのではなく、少しずつ心を開いてもらえるよう、友だちとして認めてもらえるように打ち解けていきます。
場合によっては絵カードを用いて説明します。また、治療する音を嫌がるようでしたらイヤーマフを用意してもらったり、お子さんのお気に入りのおもちゃを診察時に持ってきてもらったり、保護者の方が診察室で付き添えるよういすも用意しています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
歯科は患者さんの生涯にわたって診ていくというのが本来あるべき姿だと思います。
当院ではマタニティー歯科から、小児、一般、さらに、通院できない患者さんの訪問診療も行っていますので、口まわりの悩みや不安はなんでもご相談ください。今なお研鑽を怠らず、休診日には学会や勉強会に積極的に参加し、最新の治療技術を取り入れたり、専門の分野で実績がある先生を招聘したりすることで、患者さんのお悩みを解消できるよう努めています。
開業して22年になり、今では親子3代で通ってくださっている患者さんもいます。中には小さい頃に来ていたお子さんが大人になって歯科衛生士になった、なんて話を聞くとたいへんうれしく、医者冥利につきますね。
お話を伺ったのは
二宮 威重(にのみや・たけし)先生
東京歯科大学を卒業後、神奈川県内の歯科医院で勤務医を経て2000年より現職。