豊富な知識と経験を生かした診療で
地域の目の健康を支える


「目のことなら何でも相談してほしい」と話す院長の小西美奈子先生。ご専門の角膜疾患やドライアイ、さらに緑内障や加齢性黄斑変性などの早期発見に力を入れており、まだ目の仕組みが完全に発達していない乳幼児の検査や治療にも対応しています。ママドクターでもある小西先生に、開業への思いや視力の低下をくい止める方法などについてお話を伺いました。

乳幼児から大人、シニア世代まで
幅広い世代のニーズに応える診療

――「こにし・もりざね眼科」について教えてください。
当院は、慶應義塾大学病院の医局の大先輩である森実秀子先生が院長を務めた「もりざね眼科」を引き継いだ形で開業しました。院名に「こにし」と「もりざね」を入れたのは、森実先生が築かれた土台をさらに発展、充実させたいとの思いからです。

医師は私を含めて3名で、毎週火曜の午前は、今お話した小児眼科専門の森実先生、毎週火・水曜の午後と第2土曜は網膜専門の江下忠彦先生が、それぞれの専門性を生かしながら、目のことなら何でも相談に応じるオールラウンドな診療を行っています。診察では患者さんの訴えをしっかりと聞き、治療や指導を行うときは丁寧に説明することを心掛けています。眼科助手や視能訓練士など医師を支えるスタッフは11名で、受付を含めてどのスタッフも病名、治療法や効果、薬の内容や使い方などをきちんと把握しています。診察中に聞き漏らしたり、不安に思うことがあれば、気軽にお聞きいただければと思います。

検査機器はレーザー治療装置、2台の精密視野計、斜視検査機器、ОCTという網膜の構造を検査する機器などに加え、視野計の結果を解析するソフトも導入し、病状が進行するまで自覚症状の少ない緑内障や加齢性黄斑変性の早期発見と早期治療に努めています。「親が緑内障だった」「最近目が疲れやすい気がする」など、気になることがあれば、お早めにご相談ください。


こにし・もりざね眼科(川崎市麻生区)

―― 勤務医時代に思い出深いことなどがあれば教えてください。

患者さんから思いやりのあるお言葉をいただいた時は、心が通じた気がしてうれしいです。第一子を出産した際に、以前担当していた高齢の患者さんから手作りの赤ちゃんグッズやおくるみを頂いたのですが、その時はご自分の時間を割いて作ってくださったことに感動しました。やはり患者様との関わり合いが一番大事ですね。

子供が生後3カ月になる頃に復職し、保育園に預けながら仕事も育児も家事も一生懸命頑張っていたのですが、「子供と向き合う時間がもっと欲しい」という思いが徐々に募り、息子が3歳になる頃に開業を決意しました。ある患者さんから「自宅から少し遠いけれど、先生の病院で引き続き診てもらいたい」と言っていただけたときは、患者さんとの心のつながりを感じ、眼科医として人の役に立てる喜びを改めて感じました。

―― ご専門を教えてください。

勤務医時代は角膜潰瘍や角膜ヘルペスなど角膜疾患とドライアイが専門で、顕微鏡下で行う繊細な白内障の手術も担当していました。最近は小児眼科や緑内障の治療にも力を注いでいます。

ドライアイは、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズ装着者の増加に伴い、近年においてはますます増加傾向にあります。症状としてはその名の通り、目が乾くだけではなく、視力低下、ゴロゴロする、まぶしい、疲れ目などがあります。治療は基本的に点眼療法を行います。最近ではムチンという涙の粘液層を安定化させる点眼があり、自覚症状の改善にかなり有効です。点眼で良くならない場合は涙の出口に栓をして涙や点眼液が流れ出ないようにする涙点プラグを試みます。

効果的なセルフケアとしては、意識的にまばたきをする、画面の位置を目線よりも下にして目の露出をおさえるなどの方法があります。「朝はバタバタと忙しくて、どうしても点眼を忘れてしまう」という方には、「枕元に目薬を置いて、朝起きたらすぐにさすようにね」とアドバイスを差し上げています。

―― 小児眼科にも力を入れているのですよね。子供の視機能や視力の検査は何歳頃からできますか?

前身の「もりざね眼科」にはお子さんも多く来院していたので、今もその流れを引き継いでいます。小さなお子さんにとって自分で症状を上手く伝えるのは難しいですよね。それに時間が長いと飽きてしまうし…。ですから診察は迅速にかつ丁寧に、診察室に入った瞬間から隠れている症状を見逃さないように努めています。アレルギー性結膜炎かと思って来院したら、網膜芽細胞腫という網膜に発生する悪性腫瘍が見つかったケースもありました。

子供の視機能や視力の検査は乳幼児から行っています。目の障害は外見では分かりにくく、特に片目だけが悪い場合、普段一緒にいる時間が長いお母さんが見ていても気付くことが難しいものです。目を細めて見る、左右の目が同じ方向を向いていないなど、お子さんに気になる症状がありましたらご相談ください。検査スタッフは子育て経験のある女性がほとんどなので、子供との接し方には慣れています。ぬいぐるみやミニカーなど子供が興味を示す玩具を使って泣かせないように配慮しながら注意深く検眼します。1回で不十分なときには、時間や日にちを空けて再度検眼し、確実な検査を行います。斜視や弱視は早期発見、早期治療が重要ですので、3歳頃までには一度検査を受けることをお勧めします。


こにし・もりざね眼科(川崎市麻生区)

―― 視力の低下をくい止める方法はあるのでしょうか。

残念ながら現在の医学では近視の進行を完全に止める方法はありません。ただ進行を遅くする方法はあります。低学年からの近視の場合、眼鏡に近視抑制効果のある特別なレンズを使うことにより、近視の進行を抑える方法があります。オルソケラトロジーという治療法は、就寝中にコンタクトレンズを装着して角膜の形を矯正することにより、日中の視力を回復させるもので、若い方ほど治療効果が高く、近視抑制効果もあると言われています。近年は年齢を問わず、パソコンやスマートフォン、ゲーム機などの影響により、近視が進行し視力が低下してしまう方が増加傾向にあります。若い世代で起こる若年性老眼も弊害の1つです。近くを見続けた後は、遠くを見たり、軽く目を閉じるなど、目の緊張をほぐすようにしてください。

――読者の方へのメッセージをお願いします。

「患者さんと一緒に病気を治していく」との思いで開業したのが2004年のこと。早いもので13年目に入りました。患者さんの中には、小学生や中学生の頃からずっと通院し、立派な社会人になって活躍している方も少なくありません。これからも患者さんとじっくりと向き合う「町の眼科医」として、地域の方々の目の健康を守っていきます。

先生の趣味・マイブーム

アロマオイルを焚くのが最近のマイブームという小西先生。オレンジやベルガモットなど柑橘系の香りが特にお好きだそうです。またヒーリングミュージックを聴いてリラックスする時間を積極的に作るなど、医師として多忙な日々の中に、肩の力を抜く時間を設けてリフレッシュすることで、また頑張ろうという意欲が湧いてくるそうです。


▲ 院長の小西 美奈子 先生 こにし・もりざね眼科(川崎市麻生区)

慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院、国立病院東京医療センター、済生会神奈川県病院眼科医長を経て、2004年こにし・もりざね眼科開院。 日本眼科学会認定眼科専門医。

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