最新の機器と丁寧な検査で「正しく見える」治療を行う

―患者さんの利便性にこだわって開院されたと伺いました。

眼科の患者さんは目を患っていますから、見えにくいことで通院時の不安が大きいのです。それを少しでも解消したいという思いから利便性にはとてもこだわりました。

当院は、武蔵小杉のショッピングセンター「ららテラス武蔵小杉」4階のクリニックモール内にあります。駅からも駐車場からも直結で、バリアフリーという点は眼科の患者さんにとっては大きな安心感につながると思います。また、このクリニックモールには、当院以外に内科・小児科・産婦人科・皮膚科があるので、連携しながらトータルで患者さんの健康を支えることができるのも大きなポイントです。

武蔵小杉をはじめ、このエリアは近年の開発によって若いファミリー層が急激に増えました。そして昔から住み続けている人も多く、都会的なセンスと昔ながらの下町文化が混在するステキなエリアです。地域医として皆さんの健康のためにお役に立ちたいと思っています。


▲駅直結のバリアフリーで車いすやベビーカーでの通院も可能です。広々とした待合室は待ち時間をゆったり過ごせます(さこう眼科:神奈川県川崎市)

―子供の患者さんも多いそうですね。

地域の学校医を務めていること、そして私自身にも子供がいることで親御さんの心配も共有できることや子供好きのスタッフが多いことなどもあり、子供の患者さんは多いですね。また、自分に子供ができたことで子供の患者さんとのコミュニケーションの取り方もうまくなったと思います。

小さなお子さんを診るときは、泣いてしまうと目の状態が変わってしまうので、まずおもちゃやキャラクターで楽しい雰囲気作りをし、ほめたり励ましたりしながら笑顔で治療できるように心がけています。

―眼鏡やコンタクトレンズは子供が使用してもよいのでしょうか。

仮性近視なら視力回復が期待できますので、すぐに眼鏡ということではありません。生活に支障が出てくるようであれば眼鏡を処方しますが、そのための検査と診療はとても丁寧に行うことがモットーです。眼鏡をかけるタイミングとともに、気になるのは眼鏡の度数です。強すぎるものを使用すると過矯正となり、近視が進む可能性があります。年齢によっては点眼薬を使用して度数をチェックし過矯正を予防するなど、年齢や進行度合いを見て、個々にあった治療を提案しています。

眼鏡で矯正しても1.0以上の視力が出ない場合は、弱視の可能性もあります。遠視や近視、乱視が原因の屈折異常弱視の場合は従来の眼鏡やアイパッチに加え、オクルパッドというタブレット型の機器を利用した訓練を併用し、より早期の視力発達を目指しています。

コンタクトレンズは、常用するのは高校生くらいからと考えています。とはいっても、小中学生でも、サッカーや水泳、バレエなど、けがのリスクや眼鏡を使用できない場合には1日使い捨てのコンタクトレンズを提案することもあります。小さいうちは目に傷がつくリスクや、衛生管理面なども考えて、親御さんとよく相談しながら使用方法を提案します。


▲最新の機器を使った丁寧な検査に定評があります(さこう眼科:神奈川県川崎市)

―――パソコンやスマホ、ゲーム機の使い過ぎによる目への負担はないのでしょうか。

これも、保護者の方からの相談が多い内容です。スマホやパソコンの普及に伴い、「VDT(Visual Display Terminal)症候群」の患者さんが増えています。「IT眼症」とも呼ばれ、パソコンやスマホの使い過ぎが目のまわりに痛みを生じたり、頭痛や吐き気につながったりする眼精疲労の原因になる場合があります。

また、ゲームに熱中し、瞬きをしないことでの「ドライアイ」や、急に複視(二重に見える)を起こす「スマホ斜視」(急性内斜視)になる場合もあります。近年、VDT症候群をはじめ目の不調を感じている人が急激に増えていることを考えると、スマホなどの使い方や使用時間はきちんと管理する必要があると思います。

親御さんとしても、使いすぎで目が疲れない?視力や集中力の低下は大丈夫?学校の成績に影響するのでは?など、心配は尽きないと思います。私も子を持つ父親としてそのお気持ちは痛いほどわかります。

ですから、視力の低下に注意するとともに、お子さんの食欲が落ちていたり、いらいらすることが増えていたりしないかなどにも注意して観察し、少しでも気になる点があれば躊躇せず相談してほしいですね。早期発見・治療はとても重要です。

―子供の視力低下の割合が進んでいるそうですね。

裸眼で1.0未満の子供は、30年前は5人に1人だったのに対して、現在は3人に1人にもなり、眼鏡が必要な子供が増えてきています。また、近視の低年齢化や、目の酷使などで強度の近視になってしまうと、将来の網膜剥離や眼底出血のリスクが増加することになるので、近視の進行を防ぐことはとても重要です。

当院では近視の進行が抑えられたデータ(文献)がある低濃度アトロピン点眼薬やオルソケラトロジー治療法を導入しております。オルソケラトロジー治療法は日本では2009年に厚生労働省から認定を受けた近視矯正法で、専用ハードコンタクトレンズを就寝中につけることで、角膜の形を変化させ、裸眼視力を矯正させるというものです。翌朝レンズをはずした後も、角膜の形状が矯正された状態を一定時間維持できるため、日中は裸眼で過ごせるようになります。

また最近では、1日2時間を外で遊ぶことで近視進行が抑えられた結果から、太陽光に含まれる「バイオレットライト」や、カロテノイド(天然色素)の一つである「クロセチン」が近視進行を抑制したとの研究データが発表されており、外で遊んだのと同じ効果が期待されるクロセチン配合サプリメントを当院でも導入いたしました。

現在はバイオレットライトを利用し、装用するだけで近視進行が抑えられる眼鏡が開発されることも期待されております。いずれにしても、年齢や進行度合いによって治療方法は一つではありません。メリット、デメリットをきちんと説明した上で進めています。

 

▲視能訓練士の先生をはじめ、やさしいスタッフのみなさん。なんでも相談しやすい雰囲気です(さこう眼科:神奈川県川崎市)

―最後にメッセ―ジをお願いします。

年齢にかかわらず、目の不調はとても不安だと思います。ですから、患者さんには現在の状態をきちんと説明し、通院や治療の負担を軽減する方法を考えながら、納得いく治療法を提案することを心がけています。

そこには当然、安全で高度な医療サービスの提供が必須ですから、私自身も常に勉強し、患者さんが「ここなら大丈夫」という安心感を持っていただけるよう向上心をもって診療にあたっています。

少しでも不安に思うことがあれば、何でも相談してください。また、お子さんだけでなく親御さんやさらにその上の世代の方も、ご自身の目の健康を考えながら、当院を「家族のかかりつけ」としてくださればとてもうれしいです。

 


▲さこう眼科 院長 酒匂 丈裕 先生

奈良県立医科大学卒業。大阪大学医学部眼科入局。大阪労災病院、三木山陽病院、小川眼科を経て2014年にさこう眼科を開院。日本眼科学会認定眼科専門医。

最新情報をチェックしよう!