「朝起きてすぐに歯磨き」の習慣で、ウイルスをよせつけない体に

コロナウイルスの感染拡大で私たちの間に不安が広がっていますが、歯科医師の立場から「お口をきれいにすることでコロナを寄せ付けない体になりましょう」と話されています。

お口の中には善玉菌、悪玉菌、日和見菌と常にたくさんの細菌がいますが、善玉菌と悪玉菌のバランスがとれた健康な口腔内環境であれば粘膜がウイルスや細菌が体の中まで入るのを防いでくれます。

しかし、虫歯菌や歯周病菌など悪玉菌が増殖すると口腔内環境が乱れ、粘膜にウイルスや細菌が付着しやすくなるのです。さらに歯周病菌はたんぱく質分解酵素を出してウイルスの突起物の形を針状に変えて細胞の中により入りやすくします。

ウイルスの感染経路の一つであるお口をきれいな状態に保つことが、インフルエンザウイルスやコロナウイルスからも体を守ることにつながるのです。

口腔内環境は全身疾患へも影響するそうですね。

近年、歯周病と全身疾患との関係が明らかになってきました。歯周病菌は子どものときはほとんどいませんが、ペットボトルの回し飲みなどで唾液感染しますから、18歳ぐらいになるとお口の中に住み着いています。

歯周病菌にはいくつも種類があり、なかでもPg菌は認知症の原因の一つと言われています。歯周病菌は歯と歯茎の間にある隙間、歯周ポケットが住処です。

ポケットの深さが2~3ミリ程度なら問題ありませんが、歯周病菌が増殖するとポケットが深くなり、血管から菌が侵入して心臓や腎臓、脳などいろんな臓器に運ばれて、さまざまな病気の原因となるのです。

よく知られているものには唾液や食べ物と一緒に菌が気管や肺に入って起きる誤嚥性肺炎があります。他にも胃に入って小腸、大腸の癌の原因となることや、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす動脈硬化の要因の一つとして歯周病菌などの細菌感染が注目されています。歯周病菌は全身感染症といえる恐ろしい菌なのです。

口腔内環境を良い状態にするにはどうしたらいいのでしょうか。

歯周病を予防するためには毎日の正しい歯ブラシに加えてフロスや歯間ブラシを使って歯の表面だけでなく、歯と歯の間の汚れを取ることが大切です。

歯周ポケットのお掃除や歯垢、歯石をご自身で完全に除去することは難しいため、クリニックでプロによる定期的なクリーニングをお勧めしています。

当院では一人一人の歯並びや口腔内の状況に合わせた予防プログラムを作成し、ブラッシングなどの自宅ケアの指導に力を入れています。

また、お口の中の細菌は一人一人違いますから、口腔内検査で詳しく調べて、虫歯や歯周り病のなりやすさを測り、患者さんに合ったより適切なケアを施します。

▲井上先生に紹介していただいた口腔内セルフケアグッズ。キシリトールガムや口腔内善玉菌「ロイテリ菌」のタブレット、超音波で磨く電動歯ブラシなど。(井上歯科クリニック:横浜市都筑区)

「朝起きてすぐに歯磨き」を患者さんや地域の方々へ広めることに尽力されています。これが病気の予防になるのはなぜでしょうか。

夜寝る前、朝は朝食を食べた後に歯ブラシをするのが良いと思っている方がまだまだ多いのではないでしょうか。朝食後ではなく、「朝起きてすぐに歯ブラシ」がみなさんの健康のために必須です。

お口の中の細菌バランスをコントロールしているのが唾液ですが、夜寝ている間は唾液の分泌が最も少なくなり、悪い細菌が増殖します。朝起きた時のお口の中にはウンチ10gの細菌がいると言われるほどです。

お口の中がネバネバする、口臭を感じるのは口腔内に増殖した細菌のせいです。歯磨きをしないで、お茶を飲んだり、朝食を食べたりすると、この大量の細菌も一緒に胃の中に入っていくことになります。

ですから「朝起きてすぐに歯ブラシ」で口腔内や歯に付着した細菌を除くことが、健康のためにとても重要なことなのです。もちろん、できれば朝食後も軽く歯ブラシをすると良いですね。

「BYTBB」(Brush Your Teeth Before Breakfast)は、「朝起きてすぐに歯ブラシ」を世界中の人に伝えたいと思って私が考えた言葉です。毎日インターネットで世界の方と繋がって「BYTBB」を広めています。病気にならない体のためにも、そして、コロナが私たちの体に侵入するのを防ぐためにもみなさんもぜひ実行してください。


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