コロナ以前から感染予防を徹底 歯周病などの高度治療も

▲院長 山下 修 先生(山下歯科医院:神奈川県横浜市青葉区)

新型コロナウイルスのために歯医者さんでの治療に不安を持つ患者さんも少なくありません。

山下歯科医院では、山下先生が25年以上前に歯周病の治療法として開発した次亜塩素酸水「タンパク分解型除菌水」を使った徹底した除菌、殺菌システムで安心して治療を受けられる感染対策を行っているそうですね。

厚生労働省はコロナウイルス対策としてドアノブや手すりなどモノの消毒に次亜塩素酸ナトリウムが有効と発表しています。次亜塩素酸水「タンパク分解型除菌水」(以下、殺菌水)は次亜塩素酸ナトリウムと同類性であり、数十倍の殺菌力があります。

しかも人体に無害なので、口腔内の殺菌やうがい、手の消毒にも使えます。当院では歯周病の治療、口腔感染予防にこの殺菌水を使用しており、院内の殺菌、インフルエンザなどのウイルス感染対策としても長年使っています。最近言われているコロナ対策よりずっと以前からやっていることなのです。

クリニックの受付には殺菌水を入れた自動噴霧器があり、患者さんにはまず手指の消毒をお願いしています。待合室、治療室は空気清浄機でウイルスや花粉を除去するだけでなく、常に殺菌水の蒸気を散布して空間除菌も行っています
歯科用ユニット(治療用の椅子)のウォーターラインを流れるのも殺菌水で、治療、うがいにも使用しています。さらに殺菌水のPH値を調整して、医療器具の洗浄、滅菌にも利用します。

治療による粉塵・飛沫は口腔内バキュームと、ユニットの横に設置した口腔外バキューで9割以上を吸い込むので安心です。さらに口腔外バキュームにより陰圧空間を作り出しているので、空気の流れができて換気している状態にもなります。いずれにしても殺菌水で除菌されているので、クラスター感染の可能性を排除しています。

患者さんはもちろん、歯科医師、衛生士も安全にそして清潔に治療ができるのです。

▲左)殺菌水で空間除菌を行う噴霧器
右)各歯科ユニットの横に設置された口腔外バキューム(山下歯科医院:横浜市青葉区)

治療前に殺菌水を使った20秒間のお口のうがいと、口腔内の殺菌消毒をすべての患者さんに行うことを治療方針とされています。

お口の中は細菌の巣窟です。汚れたお口のままで麻酔の注射をしたり、外科的な手術を行うとそこから細菌感染が起こります。虫歯や親しらずの治療後に腫れや痛みが残るのは、お口の中の細菌による二次感染を起こしているからです。

治療前にお口をきれいにしておくと口腔外科手術による傷口の腫れや痛みを最小限にし、体の中に細菌が入るのを防ぐことができます。

当院では自宅でのセルフケアにも殺菌水を推奨しています。殺菌水を口に含んで20秒間お口の中を強めにうがいして、いつものように歯ブラシをします。

タンパク分解作用によってプラークが溶けてはがれやすくなっていますから柔らかい歯ブラシで軽くブラッシングするだけでも汚れが落ちていきます。殺菌水によって悪い菌の塊であるプラークが壊されてお口の中がきれいになると、その結果、免疫力が高まり、虫歯や歯周病の治りも早くなります。

当院の短期集中歯周病治療は最初の1か月の間に3回通院していただき、高濃度の殺菌水を使って口腔内を殺菌します。これで口臭や出血、歯茎の腫れなどがかなり改善されます。

症状が気にならなくなったら、2~3か月に1回の定期健診で歯周病の進行を抑えることができます。重症の方には一日で歯周病の治療を行う「ペリオプレミアム」も行っています。

高濃度殺菌水とプラズマレーザーを組み合わせたもので、レーザーで切った傷を治そうとする細胞の自己治癒力を利用して薬に頼らずに治すものです。

虫歯、歯周病、かみ合わせやインプラントなどの先進的な治療を行うとともに、「全身の健康に着目した歯科治療」にも尽力されています。

歯周病はその人の持つ免疫力と深く関わっています。歯周病菌はお口の中の常在菌で、免疫力が高いと細菌の活動を抑えて歯周病になりませんが、ストレスや病気により免疫力が低下したり、お口の中が汚れて口腔内環境が悪化すると歯周病菌が増加して歯肉炎、歯周炎といった歯周病になります。

歯肉と歯との間にある歯周ポケットにすみついた歯周病菌が血管から全身に運ばれ、心臓病、糖尿病、がんなどの病気の原因となることも明らかになってきました。

歯周病を治療することで、がん細胞やウイルス感染細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞が増加することも実証されています。

定期的に口腔内を殺菌・消毒することが自己免疫力を高め、全身疾患の予防になることをできるだけ多くの人たちに伝えていきたいと思っています。


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