眼疲労は休息で改善しますが 眼精疲労は体の不調につながるおそれも?
休んでも治らない目の疲れ 生活改善が必要です
単に目が疲れている状態を「眼疲労」といい、そのほとんどは休息や睡眠をとれば時間と共に改善します。
これが長く続くと疲れた感じだけでなく、目の乾きやまぶたのけいれん、充血、頭痛や肩こり、吐き気、イライラを感じるようになります。このような状態を「眼精疲労」といいます。
眼精疲労は自然には治りません。つらさを解消するためには原因が何かを調べて、それに対処する必要があります。
たとえば、一日中パソコンやスマホを見ている仕事や環境だったとしたら、ときどき遠くを見たり目を閉じたりして目をリラックスさせる、体を動かす、作業する時間を減らすなど、生活環境を改善するよう心掛けましょう。
また、度の合わないメガネやコンタクトレンズが影響する場合も多いので、眼科医の指導の下、きちんと視力検査をして、自分の視力に合ったものを使うようにしましょう。
眼精疲労は自律神経の バランスを崩すことも
目のピントを合わせる筋肉は自律神経と連動しています。
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経は遠くを見るとき、そして仕事や勉強などの活動をしているときに優位になるのに対し、副交感神経は近くを見るときと、リラックスしているときに優位になります。この交感神経と副交感神経が切り変わることで目のピントが調整されるのです。
ただし、たとえばパソコンや参考書をみるときは交感神経が優位になっていますが、見ているのは近くなので副交感神経も優位になっているため、その自律神経のアンバランスが眼精疲労となって現れ、ストレスやイライラの原因になる場合があります。
眼精疲労の原因として、緑内障や白内障、ドライアイ、斜視などが隠れている場合もあります。ただの目の疲れと放置せず、眼科を受診しましょう。
目のセルフケア 目をいたわる習慣をつけましょう
- スマホやパソコンは、1 時間に10 分の休憩を
- パソコンやスマホを使う際にブルーライトカットの眼鏡を使用する
- 眼球体操や目の周りをマッサージする( ただし眼球自体は押さない)
- 蒸しタオルなどで目の周りの血行をよくする
- 意識的にまばたきの回数を増やす
- 睡眠をたっぷりとる
- ストレッチなどの軽い運動で全身をほぐす
- ビタミンA やビタミンB 群、ビタミンE、アントシアニン、ルテインなどを積極的に摂る
- ビタミン剤の配合された点眼薬や内服薬を使用する
- UV カット加工が施されたサングラスで紫外線対策をしっかり行う
監修
こにし・もりざね眼科
院長 小西 美奈子 先生