治まるまでの時間や症状もさまざま 重症化すると日常生活にも影響が
めまいには、「回転性」と「非回転性」の２つのタイプ
「回転性めまい」は文字通り、自分自身がグルグルと回転しているような感覚があります。
一方「非回転性めまい」はフラフラ、グラグラのような感じがするのが特徴です。めまいを感じたら、どんな状況でどんな感覚を覚えたのか、また、その頻度や続いた長さ、さらにいつ頃から発症しているのかなどをきちんと整理してから受診することが大切です。
めまいは、眼や首、血圧、脳、心などが原因の場合もありますが、ほとんどは耳の病気なので、異常を感じたら、まず耳鼻咽喉科を受診しましょう。
めまいが病気の前兆であることも
耳は、外耳・中耳・内耳に分けられますが、最も奥にある内耳は、平衡感覚をつかさどる部位で、「前庭器」と「小脳」の連携によって、体の平衡感覚を保っています。この前庭器機能の左右どちらかに不具合が生じることで、平衡機能に左右差が起こり、これがめまいやふらつきの原因になります。
耳の病気によるめまいの代表的なものとして、「良性発作性頭位めまい症」「前庭神経炎」「メニエール病」「突発性難聴」が挙げられます。
「良性発作性頭位めまい症」は、めまいの原因として最も多いといわれています。朝ベッドから起き上がったときや振り向いたときなど、頭の位置を変えたときにグルグル、グラグラという感じがするもので、症状が出たら、頭の位置を一定にしてしばらく安静にしましょう。
ほとんどの場合は1分以内、長くても数分で治まります。聞こえが悪くなったり、耳鳴りがしたりという症状が起こることはありません。
「前庭神経炎」は、耳から脳に続く前庭神経に炎症が起こっている状態です。突然強い回転性めまいと吐き気・嘔吐を生じる疾患で、数時間から数日続く場合があります。動くとさらに悪化するのでなるべく安静を心掛けましょう。
「メニエール病」は、めまいとともに、聞こえの悪さ、耳鳴りや耳閉感（耳が詰まった感じ）を伴う内耳の病気です。激しい回転性めまいが突然出現し、10分から数時間続きます。
「突発性難聴」は、突然耳が聞こえなくなる病気です。聞こえなくなるのは、ほとんどの場合が片側ですが、まれに両側の場合もあります。前兆として約2割から6割の方がめまいを伴います。
監修
佐久間耳鼻咽喉科クリニック
院長 佐久間 惇先生
