「疲れのせい」と思って放置しない!
早期治療で完治も可能。
30代から50代の女性に多い病気
メニエール病は、若い女性に多いと思われがちですが、実は30代から50代の女性に多い病気です。耳の奥の部分の内耳(ないじ)の内リンパ液(ないりんぱえき)が増えることでメニエール病を引き起こします。内耳は、平衡感覚や聴覚に関与するため、ここに内リンパ液が増えると感覚細胞が障害され、めまいや耳鳴りなどの症状が生じるのです。
しかし、どうして内リンパ液が増えるのかは解明されていません。30代から50代に多いこと、先進国に多いことなどから、ストレスとの関係が大きいと考えられています。
早期発見・治療が要
メニエール病は、治りにくいというイメージがありますが、早期に治療を開始すれば完治が可能な病気です。しかし、ここで問題なのが、メニエールの初期の症状がめまいや軽い耳鳴りなどのため、ほとんどの方が、「疲れのせい」と考えてしまって受診が遅れ、治療を長引かせる原因となってしまっていることです。
メニエール病の症状に関しては、こちらにも詳しく説明していますので、参考にしてください。
メニエール病の治療は
耳鼻咽喉科やめまい外来に
メニエール病の治療は、薬物治療が中心です。薬物治療にも二通りの目的があります。ひとつはめまいや耳鳴りなどの症状に対する「対症療法」、もうひとつは、症状を事前に防ぐ「予防療法」です。
具体的な主な薬としては、抗めまい薬、吐き気止め、血流を改善する薬、ビタミン剤、利尿剤などが挙げられます。これらの薬物治療でも効果が出ず、難聴が進行する場合は、手術になる場合もあります。
手術まで至る割合は、全体の1割程度と少なめではありますが、先にも述べたように、治療を長引かせないためには、早期発見・治療が何よりも大切です。気になる症状があったら、すぐに受診しましょう。
監修
センター北ひまわり耳鼻咽喉科
院長 勝野 雅弘先生